ダンボール箱を抱え途方に暮れた小学生 中には生後間もない子猫 命のリレーをつないだ大人たち

2023年、関西のとある街で。段ボールを抱えた小学生が「どうしたら良いだろうか」と途方に暮れていました。不安げな表情を浮かべて佇んでいました。

小学生の不安げな表情に通りかかった人が「どうしたの?」と聞くと、段ボールの中には生後間もない子猫がいました。近くには多頭繁殖の現場があり、そこで生まれた子猫を救ったそうです。しかし、自宅に連れて帰っても、おそらく保護者の許しを得ることは難しいとのこと。「子猫の命を救ってあげたいけど…」と言います。

話を聞いたその人は、小学生の優しい気持ちに心を打たれました。「大丈夫。なんとかできないか考えてみる」と言い、自ら繁殖現場で猫たちを保護しTNRや自力での譲渡活動などを行いました。後に野良猫・保護猫のサポート会社「ねこから目線。」にも相談し、里親募集の協力を依頼しました。

■2匹とも性格良好な一方でFIV陽性も判明

「ねこから目線。」が里親募集の協力をすることになった猫は2匹で、マリンちゃんとカリンちゃん。いずれも生後約5カ月ほどのメス。人馴れすると積極的に遊んでアピールし食欲も旺盛なかわいい猫です。

ただし、メディカルチェックの結果、マリンちゃん、カリンちゃんともにFIVの陽性がありました。FIVとは猫免疫不全ウイルス感染症のことで、陽性で無症状の猫はキャリア猫といいます。猫同士の喧嘩による傷などで感染することが多いとされ、一度感染してしまうと体内からウイルスが排除されることはありません。

感染後の症状の進行はゆっくりで、無症状のキャリア期間が数年間も続くこともあります。治療に関しても無症状期間の際は特にありませんが、何か症状が生じた際には対処療法が必要となります。

■「命のバトン」をさらに繋いでほしい

あの日の小学生の優しい気持ちを大人が引き継ぎ、行動をしてくれたことで救われたマリンちゃんとカリンちゃんです。

2匹の第二の猫生を必ず幸せなものへと結ぶべく「ねこから目線。」では積極的に里親募集を呼びかけています。かわいいマリンちゃんとカリンちゃんを迎え入れてくれる里親さんの名乗りを待っています。

猫を思う人たちが繋いだ「命のバトン」。今後、さらに強く繋がり、マリンちゃんとカリンちゃんが安心して過ごせる「ずっとのお家」が見つかることを強く願うばかりです。

ねこから目線。

https://nekokaramesen.com/

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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