「リアル!本物に見えました」たんぽぽの立体刺繍に驚き「初めて見た…繊細な作品」「どうなってるの…?」
可愛らしい黄色い花とふわふわの綿毛のたんぽぽは、しっかりとした根とギザギザの葉を持つ、野生的な面がある植物です。そんなたんぽぽを根ごとそっと引き抜いてきたような立体的な刺繍作品がSNSに投稿されて驚きを持って受け止められています。
「まだまだニッチな立体刺繍に興味を持って頂きたい」
こう写真を投稿したのは、「PieniSieni(ピエニシエニ) オフフープ立体刺繍作家(@kippermum)」さんです。刺繍といえば布に糸で模様を刺していく、平面的なものを想像しますが、ピエニシエニさんの作品は、平面の布はなく、たんぽぽそのままの姿をしています。
「どうなってるの…?」
「刺繍ってすごいですね!!! 平面作品だけじゃないんだ……」
「り!リアル!本物に見えました!? 本物のたんぽぽに見える!え!凄っ!?」
「凄い!凄すぎます! 立体刺繍というものを初めて知りました やってみたい」
「ニッチどころか初めて見た… すごいというか素敵が過ぎる」
「ええええええええ これ刺繍なのですね… なんと…美しや…」
「とても繊細な作品で感動しました....!」
こんな驚きのコメントが寄せられています。草花だけでなく、昆虫やタコなどの生き物も立体的に刺繍するピエニシエニさんに、立体刺繍について聞きました。
──初めて見る刺繍でした。立体刺繍とはどのような刺繍のことを言うのですか?
私の認識では明確な定義がある訳ではなく文字通り「立体的な刺繍」の総称だと思われます。麻や綿の生地に施された刺繍の一部が立体的になっているものも立体刺繍と言いますし、私のように作品そのものが立体になっているものも立体刺繍と言われているようです。
──以前はエンジニアをされていたそうですが、なぜこのような立体刺繍をされるようになったのですか?
私の立体刺繍は「立体刺繍作品を制作しよう」と思ってできた訳ではなく「楽しくフェルトの花を制作していたら結果的に立体刺繍になった」という偶発的なもので伝統的なものとは違います。フェルトの花の表現を広げるために、刺繍糸で装飾を加えていくなかで刺繍の面積が増えて土台のフェルトが見えなくなり、結果的に立体刺繍になりました。ですので独学で考案した我流の立体刺繍という表現をしております。
──だから新鮮に感じたのですね。
立体刺繍の知名度はまだ低く、ご存知ない方が沢山いらっしゃいます。ですので作品を見た方に「このような立体的な刺繍を初めて見た」と言って頂けると本当に嬉しいです。
──ピエニシエニさんの立体刺繍の特徴というとどんなところになるのですか?
考案したこの技法の最大の特徴は刺繍枠を使わない事なので、オフフープ(刺繍枠=フープを使わない)という名称で商標登録をしました。私にとって新しい技法を考え、それを作品に反映させる作業は大変面白いですし表現の幅を広げてくれます。技法やノウハウは、記録を残して見返しブラッシュアップを繰り返して精度を上げています。このような技術の積み上げをしているのは、特許を取得するなどをしていたハード設計エンジニアの頃の習性が残っているためかもしれません。
──全く違うお仕事のようで繋がっているのですね。立体刺繍の魅力はどんなところだと?
立体的にモチーフを表現すると臨場感を演出する事が出来ますし、作品を見てくださった方々の想像力を刺激して物語性を感じて頂ける事です。
──なるほど。たんぽぽの制作期間はどのくらいなのですか?
制作方法を模索しつつの制作だったので3~4週間かかりました。
──タコや蟻の作品も可愛らしくて面白いです。たんぽぽの作品に2.4万を超えるいいねがつきました。
「蒲公英」(たんぽぽ)は過去にもご紹介した事のある作品だったので、このように大きな反響を頂けるとは思っておりませんでした。より多くの方々に立体刺繍に興味を持って頂くためには新しく魅力的な作品を積極的に制作するだけではなく、地道かつ丁寧に自ら発信する事の重要性を感じました。これからも作品をご覧になってくださる方々に楽しんで頂けるような作品を制作し続けたいです。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)