3週間の大冒険 自宅を抜け出した愛猫は大通りを渡って700M先の実家の玄関前に 保護前に野良として過ごした場所だった

関西圏を中心に野良猫・保護猫のあらゆるお世話をする会社「ねこから目線。」のもとに2023年10月、脱走猫の捜索依頼が入りました。

飼い主とともに車で外出した猫が自宅に戻った際にパニックを起こし、逃げ出してしまいました。フェンスを乗り越え自宅裏手の敷地に逃げていってしまったとのこと。名前はこてつくん。3歳のオスで、太い尻尾が特徴の元さくら猫でした。

■2度捕獲器に入った経験から学習している可能性

依頼を受けた「ねこから目線。」のスタッフは飼い主さんの自宅で聞き取りを開始。こてつくんは脱走した夜に一度、フェンスを登り、自宅敷地に戻ってきたそうです。飼い主は捕獲器を設置していましたが、入ってくれず、その後また姿を消してしまいました。過去に2度捕獲器に入った経験があり、学習しているのかもしれません。

スタッフはまず自宅と周辺にカメラを設置し、行動パターンを探りました。設置から3日後、自宅から2軒先の敷地内で姿が映り込みました。

安否確認ができてホッとする飼い主とスタッフ。ここからこてつくんがエサを食べている場所を特定したいところですが、天候は土砂降りの雨。そしてこの日を最後に、こてつくんはカメラに映らなくなってしまいました。また振り出しに戻ってしまった格好です。

■6車線の大通りを渡り700メートル先に移動?

近隣からの情報を期待し、捜索願いのチラシをポスティングし、カメラの設置範囲を広げることにしました。数件の目撃情報を得られましたが、いずれもこてつくんによく似た猫で、特徴である「太い尻尾」の猫ではありませんでした。また、付近には野良猫が多数おり、これも捜索が難航する理由でした。

手がかりがつかめない中、飼い主から「ポスティングの範囲を広げてほしい」と追加の依頼。スタッフがその準備に取り掛かろうとしていた矢先、飼い主から連絡が入りました。「直線で700メートルほど離れた実家で、『こてつくんに似た猫が来ている』と連絡がありました」とのこと。

その実家までは6車線もある大通りを渡らないと行けない場所。しかし、こてつくんにとっては、保護前に生活していたよく知っている場所でした。

行けない距離ではありません。しかし、6車線もある大通りを渡ってまで、そこを目指すものだろうか。半信半疑でしたが、実家に設置されたカメラには「太い尻尾」のこてつくんらしき姿が映っていました。飼い主さんが昼間に実家に行った際、こてつくんは実家のドアの前でエサを待っていたそうです。

■その地を目指し彷徨い歩いた可能性も

ずいぶん肝が据わったこてつくんですが、この後、スタッフは実家付近に捕獲器を設置。何度かのトライを経て捕獲器の中に入ってくれました。気づけば脱走から3週間がたっていました。

逃げ出した猫は、元いた場所からそう遠くへは行かないことが多いものですが、こてつくんは700メートル先の保護前に暮らしていたエリアまで移動していました。そこまでの距離感や道のりを、こてつくんが事前に把握していたことも考えられますが、そうでなければ、その地を目指してさまよっていた可能性があります。

たくましいの一方、足取りを想像するとひやりとする飼い主さんとスタッフ。なんとか無事に家に帰ってくることができて本当に良かったです。こてつくん、これからは優しい飼い主さんの元で、脱走せずにのんびり過ごしてくださいね。

ねこから目線。

https://nekokaramesen.com/

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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