やせ細り皮膚がぼろぼろの保護犬 治療と栄養そして愛情でお利口さんに変身 ピースワンコ4000匹目の卒業生として新しい家族のもとへ
広島県を拠点にする動物愛護団体、ピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。同団体が保護するワンコは元野犬が多いですが、スタッフが一丸となって人馴れトレーニングなどを行い、新しい里親さんに「命のバトン」を渡し、多くのワンコを幸せな第二の犬生へと繋いできました。2023年11月末までにピースワンコが譲渡・返還したワンコの数はなんと4062匹。このうち「4000匹目」の卒業となったのが、真っ黒で小柄なワンコ、ごーちゃんでした。
■ボロボロの体で警戒心剥き出しだったごーちゃん
ごーちゃんは推定約2歳弱。保護当初は十分な栄養が取れていなかったのでしょう、今よりずっと痩せ細っており、皮膚の状態もボロボロ。毛があちこちから抜け落ちている状態でした。元野犬は他のワンコとのコミュニケーションに長けている一方、人間には不馴れでときに目をそらして固まったり、強い警戒心から威嚇するワンコが多いものですが、ごーちゃんも人間が苦手でした。スタッフが近づくと、睨みつけるような目つきで唸り、部屋の隅っこで萎縮していました。
ごーちゃんに十分なエサを与え適切な処置を行い、たっぷりの愛情を注いだ結果、後に健康を取り戻し、そして人間の言うことも理解してくれるようなりました。当初は不馴れだった散歩も得意中の得意となり、アイコンタクトを取りながら、歩くペースを合わせてくれるお利口さんに成長しました。
■幸せをつかんだ「4000匹目」に
大変身を遂げたごーちゃんでしたが、2023年10月に「迎え入れたい」という里親希望者さんとのマッチングを果たしました。そして、ピースワンコから卒業していったワンコとしては「4000匹目」という記念すべきワンコになりました。里親さんもおおいに喜んでくれ、「記念すべき卒業犬となったごーちゃんを、これからいっぱいかわいがってあげます」と言ってくれました。
卒業時、ごーちゃんは保護当初とはまるで違う表情を見せ、スタッフを前に「ワン!」とうれしそうに吠えました。それはまるで「お世話してくれてありがとうね!」と言ってくれているようにも見え胸が熱くなるスタッフでした。
ごーちゃんのように家族の一員として迎え入れられ、ピースワンコを卒業して第二の犬生を歩んでいるワンコたちが全国にたくさんいます。これまでの4000匹以上の卒業実績は「人と犬は共に幸せに暮らすことができる」「人間が行動さえすれば、殺処分の数を減らすことができる」というゆるぎない事実を示しているのです。
ピースワンコ・ジャパン
https://peace-wanko.jp/
(まいどなニュース特約・松田 義人)