マルチーズとプードルのミックス犬 元気さが過ぎて最初のトライアルは不調に 全てを受け入れる優しい家族とめぐり会えた
保護団体から保護犬を譲渡してもらう場合、必ず面談があり正式譲渡前に一定期間のトライアルがあります。保護犬の多くが辛い過去から心に傷を負っており、さらに辛い思いをさせないための配慮で、誰にでも簡単に譲渡するわけではありません。
埼玉県・茨城県を拠点に多くのワンコの命を救い続ける犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)でも、譲渡には細心の注意を払っており、「この里親希望者さんなら大丈夫だ」と思ったとしても、一定期間のトライアルを実施しています。
あるとき、リアンで保護していたマルチーズとプードルのミックス犬のゾフィーに「迎え入れたい」という里親希望者が現れました。ここでもまずはトライアルを実施することにしました。
■有り余る元気に、トライアル先から戻された
このときのゾフィーは生後5カ月~半年ほどでした。まだまだパピー感が残えい、遊びたい盛りでとにかく元気がいっぱい。家の中では思いっきり駆け回り、好奇心からどんなものでも口にしてしまうこともありました。
そんな元気いっぱいのゾフィーの姿に圧倒された里親希望者は、正式に迎えることを不安に覚えるようになりました。「落ち着きがないワンコだ」「落ち着いたらかわいくなるワンコだ」と思うかどうかは紙一重です。そして、ワンコに対する里親の姿勢や世話次第で、ゾフィーのその後の性格も変わってくるはずですが、一度飼い主が不安を覚えてしまうとその気持は、犬にも伝わってしまうもの。この里親希望者は、ゾフィーを迎え入れることを断念しました。
■熟考を重ねた家族から「迎え入れたい」との申し出
ゾフィーはリアンの預かりボランティアの家へと出戻ってきました。早い段階で「縁がなかった」とわかったことで、スタッフは気を取り直し再度ゾフィーの里親募集をかけました。当のゾフィーはケロッとしておりいつも元気いっぱいです。
程なくして、ゾフィーの明るい表情にひかれた別の里親希望の家族が現れました。この家族の娘さんたちはずっと「犬を飼いたい」と思っていたそうですが、親御さんが「ワンコの飼育は大変」と話が進まなかったそうです。まだ小さいゾフィーとなれば長い時間を一緒に過ごすことになるわけで、迎え入れる決断をするまでにも、何度も何度も話し合ったそうです。
その上で「迎え入れたい」という名乗り出てくれたわけですが、やはりここでもまずはトライアルからスタートしました。
■家族の一員になった!
迎え入れる上で、さまざまな場面を想定し熟考を重ねた里親希望の家族の娘さんたちは、トライアル中ゾフィーにたっぷりの愛情を注ぎました。元気いっぱいのゾフィーが喜ぶよう毎日1時間以上の散歩を実施。トイレなどが成功すればほめ、生活のどんなときでもゾフィーを中心に考え過ごすようにしました。
当のゾフィーも「自分を思いっきり出していいんだ」「元気いっぱい遊んでもいいんだ」と悟ったようです。そして、この明るい家族のもとへ正式に譲渡が決まりました。
この家で「さち」という新しい名前をもらいました。「家族の名前に『幸』が入っているから、この名前にしたかった」という娘さん。このことからもわかるように、ゾフィーはこの家族にとって大切な一員となりました。優しい家族のもとでいつまでも元気いっぱいで過ごしてね!
犬保護団体restartdog LIEN
https://restartdoglien.jimdofree.com
リアン・インスタグラム
https://www.instagram.com/restartdoglien/
(まいどなニュース特約・松田 義人)