「こんなしょーもない訂正か、ばかばかしい」 大阪大入試、“談笑”背景に分かりにくい問題訂正【受験生が証言】

大阪大学の入学試験で、「試験監督が談笑していた」と複数の受験生が訴えている問題で、現場にいた受験生が「報道されている内容に違和感がある」と、取材に応じた。受験生によると、試験官が談笑していたとされるのは、国語の試験で問題訂正の紙が配られた際。訂正箇所が分かりにくく、試験官らが話し合う事態が起きていたという。「『こんなしょーもない訂正か、ばかばかしい』といった風な言葉が聞こえてきたのは事実ですが、談笑というより、鼻で笑ったような感じだったと思います。試験官が笑ったのは問題ですが、分かりにくい訂正を作った学校側にも問題はあると思います」と話す。

■「何が違う?」と試験官が聞き合い

試験があったのは2月25日。問題が起きたのは、午後3時半からの3科目目の国語の試験時間だったという。取材に応じた受験生の男性は、試験会場の前方に座っていた。

問題訂正の紙には(誤)(正)と2例が並んでいた。「ぱっと見では分からない訂正だったので、試験官に『何が違う?』との質問が寄せられたらしいです」と男性。試験官たちも訂正箇所が分からなかったのか、教壇の前に集まって「何が違う?」と聞き合う声が聞こえてきたという。「実際、うるさかった気はしています。話し合いが長引いて焦っちゃう受験生もいたとは思うので…」と話す。体感時間は3~5分だった。

結局、訂正箇所は傍線の掛かる長さが微妙に異なることだった。「僕自身、訂正文と10秒睨み合っても分からず、後回しました。問題を解くときに気付いて、しょうもな!と心の中で思いました」と話す。試験後、一人の受験生が試験官に抗議を始めた。退室が許可されておらず、この試験室で受けた受験生全員が目にしているはずだという。

■大阪大「笑うなどの事実はなかった」

「入学試験という性質上、大学側が漏洩に対して敏感になるのは当たり前なので、試験官に『試験室内で見るように』と通達をしたのも理解できます。ただ、問題訂正が分かりにくかったのも事実です。試験官が笑ったことは問題ですが、試験官側に大きな非はないと言われてもおかしくないと思います」と男性。今回の経緯はSNSにも投稿しており、「自分が1年間目指してきた大学がこんな渦中に放り込まれ、受験生に向けて『馬鹿馬鹿しい』と言ったなどの誤報が付いて回ることにもやもやを感じました」と発信した理由を明かす。

大阪大入試課によると、当該試験室では国語の試験中に質問が3件あり、1件が訂正に関する内容だったという。「試験監督に確認しましたが、笑うなどの事実はなかったと認識しております。業務上必要な会話で、再試験を行う予定もありません」としている。試験会場には約120人の受験生と、法学部の教授ら7人の監督者がいた。

(まいどなニュース・山脇 未菜美)

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