『北斗の拳』に登場する自己犠牲キャラ4選! 自らを犠牲にして大切なものを守る男たち

「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1983年から1988年まで連載された漫画『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)のテーマのひとつが「哀しみ」です。そのためか同作では、自分を犠牲にしてでも何かを守ろうとする男たちが登場し、涙を誘う生き様を読者に見せつけます。

■トキ

中でも代表的な自己犠牲キャラといえば、「トキ」の名前が思い浮かぶでしょう。北斗4兄弟(ラオウ・トキ・ケンシロウ・ジャギ)の次男である彼は、次期北斗神拳伝承者と目されるほどの実力者でした。

しかし、核戦争の勃発に伴って発生した死の灰から避難する際に、彼の運命は大きく変わります。避難するためにトキが同作の主人公・ケンシロウとそのパートナーであるユリアと一緒に地下壕を訪れると、その場所は多くの子どもを含む避難民で溢れていました。どれだけ詰めても2人しか入れないと言われたトキは、迷わずケンシロウとユリアを地下壕に押し込み、自分は外に残ります。

死の灰を浴びたトキは、命こそ助かるものの病を抱えるようになり伝承者の道を断念することに。自分よりも才能のあったトキが、自分を救うために死の灰を浴びた姿を見て、ケンシロウは大きな哀しみを抱いたことでしょう。

■シュウ

またケンシロウを救うために自分を犠牲にしたキャラはトキだけではありません。南斗白鷺拳伝承者・「シュウ」も感動の自己犠牲を見せるひとりです。時は遡り、まだケンシロウが若かった頃、ラオウに連れられ南斗の修行場所にやってきます。そこで負ければ命が奪われるという条件で、ケンシロウは南斗十人組手に挑むのでした。

シュウは10人目の相手として登場し、ケンシロウに勝利します。敗北したケンシロウは命を奪われそうになるのですが、戦いを通してケンシロウに強く光る可能性を感じたことから、それをシュウが制止。そして彼は自らの両眼を犠牲にして、ケンシロウの命を救いました。

その後、2人はコミックス10巻で描かれる聖帝サウザー編で再会を果たします。シュウは成長したケンシロウの姿を知り、自分の選択は間違ってなかったと伝えるのでした。

■シャチ

物語の後半でもケンシロウを守るために自らの目を犠牲にしたキャラクターが登場します。ラオウを倒したケンシロウがたどり着いた修羅の国で、羅刹と恐れられた「シャチ」がその人です。修羅の国の第一の羅将であるカイオウと対戦し、敗北したケンシロウをシャチは身を挺して守ります。そしてケンシロウを背負って逃げるシャチは、その道中で出会ったヒョウに見逃してもらうために、自らの片方の目をくりぬき差しだすのでした。

■ファルコ

ここまで取り上げた3人は、ケンシロウを救うために自分を犠牲にしたキャラクターでしたが、元斗皇拳伝承者のファルコは別の存在を守るために自分を犠牲にしています。

彼はかつて天帝の村をラオウが訪れた際、ラオウから「戦うか退くかどちらか選べい!!」と迫られます。ファルコはもし自分が戦えばラオウと相討ちになり、結果、ラオウの配下によって村人が殺されると考えました。そして右足を自ら切断して、村を素通りするよう要求するのでした。

   ◇   ◇

4人のような生き方を選ぶのは困難だと思いますが、せめて自らの利益を優先して他人の足を引っ張るようなことは避けたいです。改めて『北斗の拳』を読んで、かっこいい生き方に触れてみてはいかがでしょうか。

(海川 まこと/漫画収集家)

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