父「上着の油汚れが取れん」→娘「フクロウ描いたろ」→なんとも縁起の良いアクセントに! 「おしゃれ」「唯一無二」と驚きの声
もうすぐ冬物の服をクリーニングに出すシーズンがやってきますが、大事なコートについたシミなどが気になっていませんか。着物や洋服に絵を描いてリメイクしている「絵処まほろば工房 やたまる」さん(@yatamaru2)は、あるものを描いて、お父さんのジャケットのシミを隠しました。
「父上から油汚れが取れんとこになんか描いてくれ言われたから梟描いた。」とXに投稿。まるで最初からそこにフクロウが描かれていたかのようなジャケットに、
「不苦労とも言いますものね。ステキなチョイスです。そして、とてもかわいい」
「唯一無二の素敵な上着になりましたね。縁起も良さそう」
「刺繍みたいに見えますが絵なんですね!すごく可愛いしお洒落だし、とても素敵です」
というコメントが寄せられ、「いいね」は8.6万件にもなりました。
やたまるさんにお話を聞きました。
ーーお父さん、おしゃれな方なのですか。
「昔から、『お洒落なお父さんだね』と言われることがありました。帽子とかファッションアイテムを上手に利用することが多かったです。私が呉服屋で働いてた頃は、よく着物を着ていました。今でも夏はモダンな浴衣を着たりしています」
ーーなぜフクロウを描かれたのですか。
「不苦労や健康祈願など縁起の良い意味合いがあるフクロウは、着物にもよく登場するモチーフで、なじみ深いものでした。スーツの色を見てすぐにフクロウを連想しました。腕に留まってると思えば可愛いですし」
ーーお父さんの感想は?
「翌日渡した時に、『よくあんな濃い汚れの上に描けたなぁ』と感心していました。すぐに着て、『どうだ?』と見せにきて満足しているようでした。30年着ていた話やシミ取りで有名な店に出しても取れなかった話も聞きました」
ーー洋服だけではなく、着物のリメイクもされていますよね。
「呉服の営業をしていた頃、お母様やお祖母様の着物を着たいという20代のお客様によく出会いました。でも、シミ抜きや仕立て直しは意外と高額なので、あきらめてしまわれることも少なくありません。新しい着物を買ってくれる人もいましたが、絵付けをしてハードルを低くすることで、若い世代の方々にもっと着物を着てもらいたいと思ったのが始まりです」
ーーもっと気軽に着物を着てほしいと?
「着物の良さを感じてもらうことが、この先の着物業界にとって大切だと感じています。何が正解ではなく、古着が良い、ブランドものが好き、個性の表現をしたいなど、洋服と同じように価値観の幅が広がれば最高だと思っています。しょせん“着る物”ですから」
ちょこんと腕に留まったフクロウ。とても小粋で、シミ隠しには見えません。大切にしていた服や着物を汚してしまった。そんな時は、絵処まほろば工房 やたまるさんに相談されたらいいかもしれません。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)