最後の「国鉄型」特急やくも歴代4色が勢ぞろい 運が良ければ4月6日デビューの新型も 撮影スポット・岡山駅には鉄道ファン続々

 今だけ、歴代カラー勢ぞろい-。JR西日本の特急「やくも」に使われている2代目車両「381系」の引退が迫る中、懐かしいリバイバル塗装と現行の全4種類の車体が岡山(岡山県)-出雲市(島根県)間を運行している。1982年に投入された現役では国内最後の国鉄時代の特急電車。歴史と雄姿を記録に残そうと、岡山駅では鉄道ファンらが熱心にレンズを向けている。

 リバイバル塗装は「キハ181系」気動車による初代の運行開始(1972年)から50周年を迎えた2022年に企画された。第1弾の「国鉄色」(1982~2010年ごろ)はクリーム色に赤い帯が特徴。2023年には紫色を基調とした「スーパーやくも色」(1994~2006年)、緑と黄色のラインが入った「緑やくも色」(1997~2011年)が復刻された。窓周りが赤い現行の「ゆったりやくも色」(2007年~)を含め4種類がそろい、日によっては1日で見ることができる。

 カーブの多い路線でも高速走行できるよう開発された「振り子式車両」の381系は、木曽路を走る特急「しなの」や関西エリアの特急「くろしお」にも採用された。老朽化で次々姿を消し、今も定期運行している特急は、やくもだけだ。

 発着駅の岡山駅はじっくり撮影できる絶好のスポットとあって、岡山県内外から多くの鉄道ファンが訪れている。大阪府の大学1年の学生(19)は「国鉄色はどこか懐かしさがあっていい。日常に溶け込んだ姿をいろいろなシチュエーションで撮影したい」と目を細め、国鉄色や緑の車体とホームに並ぶ乗客の姿を写真に収めていた。

 381系は4月6日から順次、新型の273系に置き換わり、スーパーやくも色は4月5日、国鉄色と緑やくも色は6月14日で運行を終える計画だ。新型は岡山県内などで試運転を行っており、運が良ければブロンズ色に雲のシンボルマークが描かれた5種類目にもお目にかかれるかもしれない。

 JR西日本中国統括本部は「381系に乗れる機会はあと少し。さまざまな『やくも』を楽しんでほしい」と呼びかける。

 運行情報はインターネットサイト「JRおでかけネット」の「懐鉄(ナツテツ) リバイバル列車」で確認できる。

(まいどなニュース/山陽新聞)

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