入社4年目25歳が担当、バズる人気企業アカウントに 他社との積極交流に上司からの「ひと言」

 健康食品会社「わかさ生活」(本社、京都市下京区)のSNS活動が活発です。公式X「わかさ生活広報部」(@WAKASASEIKATSU)。投稿には同社公式キャラクター「ブルブルくん」のマスコット人形や、市販の馬のかぶり物などの小道具を使い、社内の日常や出張先での一コマをコミカルに伝えます。SNSユーザーや企業アカウントなどが反応し、そのやりとりも人気です。この交流がきっかけとなり、コラボ企画や商品が生まれたことも。中の人に話を聞きました。

■思わぬ人とのコラボや新商品にも発展

 「中の人」は2020年入社の男性社員(25)。約3年半前、本人の希望でX担当に就任。通常の広報業務と並行して投稿する内容はたびたびバズり、各種媒体の取材対応やイベントでの講演もこなします。

──投稿内容は誰のアイデア?

「投稿はすべて私です。基本的に思いつきです。休日でも投稿に使えそうなネタをひらめいたりします」

──心がけていることは?

「誰が見てもわかりやすい投稿を心がけています。そのために説明口調になりがちなのも特徴かもしれません。日々発信を楽しんでくださっているフォロワーさんはもちろん、初めて投稿を見つけてくれた方などにも伝わる表現を大事にしています」

──他社公式アカウントとの交流も盛んです。

「他社との交流発信は、普段と違った景色をユーザーに届けることができる一つのコンテンツだと思っています。Xの発信を通じ、ソフトバンクさんや花王さんなど、異業種の企業にも訪問する機会などありました。特に、電子契約サービス『GMOサイン』さんは、担当者の方が弊社Xの熱烈なファンでいてくださったことから交流が生まれ、GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿さんとコラボという形で投稿をしたこともあります。フォロワーの中にもそういったさまざまな業種を問わない会社同士での交流を楽しんで見てくださっている方も多くいらっしゃいます」

──企業同士の交流は閲覧数も伸びる?

「他社交流では相手方も巻き込んで発信することがベースの形です。弊社の場合、通常の投稿よりも数字が伸びる傾向にあります。また、交流先のアカウントもわかさ生活との交流によって、通常より投稿の数字が伸びます。その企業のアカウント担当者の方が喜んでくださり、さらなる未来での交流、協業の可能性が高くなります」

──Xでの活動は収益につながっている?

「Xを見て購入してくださった方の数字を見ると、少なすぎず、多すぎずの数字だなと感じています。ファンを作ってから商品を購入いただくことが定番の流れで、醍醐味。定期で長く継続して購入してくださる方が多いというのがXの特徴としてあります。Xからの購入は、従来のマーケティングと違い、広告費がかかっていないので、いいダイレクトマーケティングになっていると思います」

──他社との交流について、上司や同僚は理解がある?

「そうですね、人によって差はあると思うんですが、よく投稿を見てくれている同僚たちからは『この前、どこどこに行ってたね~!』と声をかけてもらうこともあります。上司も『社内だけではなくて、社外からもいろいろ柔軟に勉強してきなさい。経験になるから』という考えで、イベント登壇や出張の際の他社訪問などに快く送り出してくれます」

──今後の目標は。

「フォロワー数に強いこだわりはありません。例えば10万人フォロワーがいてもすべての投稿が最低10万人に届くといったわけでもなく、逆に100万人に届くこともあるからです。フォロワー数で評価されやすいSNSの世界で、『フォロワー数は一番じゃないけど、企業アカウントで一番うまく運用しているよね』なんて言ってもらえるような存在を目指したいと思います。その過程で、ファン作りや商品の購入に加え、コラボ商品、採用、営業などあらゆる面で会社にいい影響を与えることができればいいなと考えています。明日からも運営がんばります!」

     ◇

 これまでにXを通じて生まれたコラボ商品は次の通り。カッコ内はコラボ企業名と実施年月。

「ブルーベリーアイキャンディ」(パイン株式会社、2021年3月)、「限定プライズ商品 ぬいぐるみ」(株式会社ラウンドワン、2021年12月)、「限定プライズ商品 マスコット」(株式会社ソユー、2022年2月)、「Eye Love Blueberry チーズケーキ」(コガネイチーズケーキ、2022年4月)など。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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