梅吉の「紙吹雪の家族写真」で泣かせた直後「水着の女性」でズッコケ…『ブギウギ』脚本“スカし”の妙
今週放送中の『ブギウギ』第23週「マミーのマミーや」では、スズ子(趣里)が羽鳥(草彅剛)とともにアメリカに遠征し、武者修行して帰ってきた。本日3月6日放送の109話では、日本に戻ったばかりのスズ子のもとに、がんで闘病していた父・梅吉(柳葉敏郎)が危篤であるとの報せが舞い込む。愛子(小野美音)を連れて香川に赴き、梅吉と対面したスズ子は、叔父の松吉(木内義一)から梅吉が香川で写真館を開いてからの様子を聞かされる。
松吉の勧めによりスズ子は、梅吉がこれまで写真館で撮ってきたたくさんの記念写真を見てみる。写真に収められたどの人も皆、晴れやかな笑顔で、父が地元の人々に愛されて幸せな日々を送っていたことを知り、スズ子は安堵するのだった。中でも、紙吹雪を散らしながら収められた家族写真が目を引いた。紙吹雪といえば、梅吉が誰かの旅立ちを見送るときや、自分が旅立つとき、いつも大事な場面で使われていた、おなじみのアイテムだ。これについて、制作統括の福岡利武さんに聞いた。
■梅吉らしい「お客さんの楽しませ方」
「これまでにもたびたび登場した紙吹雪は、パーツと咲く感じの明るさ、梅吉らしさが表現できれば、ということで柳葉さんとディレクターが話し合って決めたアイテムです。109話に出てきた家族写真の中で舞っていた紙吹雪も、柳葉さんと二見(※23週の演出を担当した二見大輔さん)が話し合い、梅吉らしい『お客さんの楽しませ方』ということで登場しました」
■「泣けるシーンでもどこかに笑いを」が足立節
スズ子が知らない梅吉の、香川での日々をうかがわせる「笑顔の記念写真」にグッときていたところ、水着姿の女性の写真ばかり集めたアルバムが出てきてスズ子は呆れる。こうした“スカし”というか、「照れ隠しの作劇」も『ブギウギ』らしい。福岡さんはさらに、こう語った。
「脚本の足立紳さんは、『泣けるシーンでも必ずどこかに笑いを』ということを常に強く意識されていました。いい話だったのに、水着の女性の写真が出てきてスズ子が“引く”という、これもまた『足立節』ですね」
明日放送の110話では、この「水着を着た女性の写真」の背景が明らかになるという。梅吉の容体がとても気になるところだが、こうした「笑わせポイント」にも注目してみたい。
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『ブギウギ』
【出演】趣里 水上恒司/草彅剛 蒼井優 菊地凛子 生瀬勝久 小雪 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか
【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
【脚本】足立紳 櫻井剛
【音楽】服部隆之
【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
【放送時間】
▽NHK総合
毎週月曜~土曜 前8:00~8:15/(再)後0:45~1:00(※土曜は一週間を振り返り)
毎週日曜(再)前11:00~11:15
翌・月曜(再)前4:45~5:00(※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送)
▽NHK BS・NHK BSプレミアム4K
毎週月曜~金曜 前7:30~7:45
毎週土曜(再)前9:25~10:40(※月曜~金曜分を一挙放送)
(まいどなニュース特約・佐野 華英)