「何人が握った寿司でもいい。多様性尊重しよう」→「ふざけるな!本物を俺に食わせろ!」中国内陸部に滞在した男性、出された握りとは

中国における寿司事情がSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのはs’さん(@sscrimess)の

日本でテレビを見てる時の俺

「寿司なんて別に何人が作ろうがどんな見た目しようがその土地で愛されていればいいじゃん。食文化の多様性を否定して偉そうに『本物の寿司』を押し付けて優越感に浸るのは感心しないな」

中国内陸部に2ヶ月滞在俺

『おいふざけるな!本物の寿司を俺に食わせろ!!!!』

という投稿。

投稿に添付されているのは乱雑にマヨネーズがかけられたカニカマと正体不明の加工食品の寿司。近年、寿司はじめ日本食は世界各地でローカライズされているようだが、やはり日本人の価値観からするとそれを和食を認めるのは厳しいのだろうか。

今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは

「右のは一体何なんだ」

「マヨの乗せ方かかもう無理すぎる…回転寿司って優秀やったんやなあ( ´-` )」

「あ、でもこれはお家で酢飯をキメたいと思ったときにお手軽にできるメニューとして追加はアリかもw(お寿司とは言わない)」

「昔、農水省だかが海外の日本食屋に星付けするとかなんとか言ってた頃に海外出張が入りましてね。海外経験の少ない同行者は行きの飛行機で『あんなの無駄!』って言ってましたけど、現地の日本食を食べた結果、帰りの飛行機で『やっぱいるわアレ…』ってなっていたのをふと思い出しました。」

「昔のタイではカニカマが『日本の技術の粋』みたいな扱いで、スーパーで売ってる並寿司がズワイガニで上寿司がカニカマという逆転現象があったが」

など数々の驚きの声、共感の声が寄せられている。

■投稿した人に聞いた

s’さんに話を聞いた。

ーー写真のお寿司はどこの店のものでしょうか?

s’:2019年に中国広州市の寿司チェーン「一碌木寿司」の「琵琶の屋」という店で撮影したものです。値段は確か90分食べ放題で70元(約1400円)でした。

ーー味わいのご感想は?

s’:味はとても寿司とは言えませんが、まあ美味しい部類でした。反響では写真の寿司に対する批判が上がってしまいましたが、これは酢飯が甘く、わさびが原色で突き刺すような信じられない辛さであること以外は良好でした。

ーー中国では本格的な寿司屋にはお目にかかれないのでしょうか?

s’:広州市には日本人がやっている有名な日本料理もあり、そこの寿司は非常に「ホンモノ」です。私は投稿の数日前まで雲南省昆明という海から1000キロメートル以上ある内陸部にいたため、寿司がどうしても食いたかったのですが、まともなものを食べられませんでした。

ーー中国で寿司はどのような進化を遂げているのでしょうか?

s’:中国の寿司とは2015年頃、北京で初めて回転寿司ができた時からの付き合いですが、謎の原料や調味料が用いられ、不思議な味に仕上がったものがたくさんあります。例えば肉の田麩を寿司にしたり、マヨネーズを大量にかけたり、中華料理のジャンを使ったり…。

今後中国に長期滞在する予定がある方は、一部のエリアにおける寿司は「寿司の形を模した創作料理」として考えた方が良いでしょう。「久しぶりに寿司が食べたい」という気持ちで行くと必ず裏切られるので、お気を付けて。

◇ ◇

一見ユニークな中国寿司だが、これしかないという状況におかれると日本人は辛くなってしまうに違いない。海外で寿司を食べたいと思う方はぜひs’さんの体験を参考にしていただきたい。

s’さん関連情報

Xアカウント:https://twitter.com/sscrimess

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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