警戒心が強く、譲渡会で人には寄ってこない猫に一目惚れ「猫っぽくていい」 後輩猫にも優しい「お兄ちゃん」ぶりに愛着感じる
■コロナ禍、癒しや楽しみが欲しかった
キーちゃん(3才・オス)は、警察に保護されてから名古屋市動物愛護センターに送られた。当時、生後2カ月くらいだったという。詳しいことは教えてもらえなかった。
愛知県在住のIさんは、昔猫を飼っていたこともあり猫が好きだった。コロナ禍で癒しや楽しみが欲しかったので、また猫を飼うことにしたという。
「猫を飼うなら、譲渡会に参加するか愛護センターで譲渡してもらうか、どちらかだと思っていました。愛護センターに面会の予約をして順番が回ってきた時、猫風邪をひいている子が多くて面会できる頭数が少なかったのですが、一刻も早く猫を飼いたいと思い、会いに行きました」
■臆病だが優しい猫
2020年8月19日、Iさんは動物愛護センターに足を運んだ。キーちゃんは、猫展示舎で他の猫と遊んでいた。
「人には寄ってこない猫でした。職員の方も『もう性格が変わることはないだろう』とおっしゃっていました。でも、それも猫っぽくていいと思いました。それに、私はキーちゃんを見た時、その可愛らしさに心を奪われました。その場で譲渡してもらうことにしました」
家に連れて来ると、キーちゃんはとにかく警戒して、チュールもごはんも食べなかった。イカ耳になって怯えていたという。
名前は、キジトラで鍵しっぽ、男の子だが可愛いので「キーちゃん」とパッと思いついたそうだ。
キーちゃんは警戒心が強く、あまり構ってほしくないタイプ。一度だけIさんが網戸を開けっぱなしにしてしまったことがあるが、キーちゃんは外に出ずに、部屋の中から外を眺めていた。
「慎重というか、冒険しない子です。後から来たココちゃんがとにかくわがままで、キーちゃんのものを全てを奪っていきますが、それもだいたい許してあげる本当に優しいお兄ちゃんです」
ご飯が大好きで、食いしん坊。人のことを噛んだり、引っ掻いたりすることもないキーちゃん。
「猫を飼うことは長年の家族の夢でした。コロナ禍で外出もままならない時にご縁があり、キーちゃんを家族として迎え、日々喜びと癒しをもらっています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)