外出先での排便「我慢できないときだけ」? 20・30代に多く、男女で差も…したくない理由とは
外出先での排便を「極力我慢」する人が約6割--そんな調査結果が、大正製薬株式会社(東京都豊島区)が実施した「排便のにおい」に関する意識調査で分かりました。また、外出先での排便を「極力我慢」する人は、20代や30代などの若い世代で多い傾向がみられたそうです。
調査は、全国の20~69歳までの男女400人(男女各200人)を対象として、2023年12月にインターネットで実施されました。
調査の結果、「自分の排便後のにおいが気になる」と答えた人は全体の54.8%(いつも気になる11.8%、たまに気になる43.0%)。これを男女別にみると、「いつも気になる」と答えた割合をみると、20~40代の男性は、同年代の女性を上回り、中でも20代の男性(15.0%)は、同じ20代女性(2.5%)の6倍になることが分かりました。
一方、「他人の後に入ったトイレでにおいが気になったことがある」と答えた人は71.8%(よくある21.8%、たまにある50.0%)に上りました。これを性年代別にみると、男女とも年代が高くなるにつれ、割合が高くなる傾向がみられました。
次に、「外出先での排便」について聞いたところ、「どうしても我慢できない時だけする」(34.5%)、「極力しない」(14.8%)、「絶対しない」(10.0%)を合わせると約6割に上りました。また、「絶対しない」「極力しない」と答えた割合を性年代別にみると、「20代女性」(35.0%)、「30代女性」(32.5%)、「20代男性」(30.0%)など若い世代で多い傾向がみられました。
なお、「外出先での排便を我慢する理由(複数回答)」については、「外のトイレでは落ち着かないから」(45.1%)、「外のトイレの便座には座りたくないから」(32.1%)、「音やにおいが恥ずかしいから」(24.1%)が上位となりました。
また、男性回答の最多は、「外のトイレの便座には座りたくないから」(38.1%)、女性回答では「外のトイレでは落ち着かないから」(54.0%)が最多となったほか、「音やにおいが恥ずかしいから」(33.9%)は男性の約2.5倍となりました。
続けて、「外出時での自分の排便後のにおい対策」について複数回答可で答えてもらったところ、「排便と同時に水を流す」(30.6%)、「人がいないトイレを探す」(13.9%)、「トイレ内の便座除菌クリーナーで拭く」(11.7%)といった回答が上位に挙がった一方で、約半数が「特に対策はしていない」(51.9%)と回答しています。
性年代別では、「携帯消臭剤を使う」が最も多かったのが20代男性(14.3%)で、「トイレ内の便座除菌クリーナーで拭く」の回答も60代男性(20.5%)と20代男性(20.0%)が多く、女性を上回っていました。
最後に、「便のにおいがきつくなる原因は何だと思いますか」と聞いたところ、「腸内の悪玉菌が増えているから」(36.3%)、「肉類など動物性たんぱく質や脂肪の摂り過ぎ」(31.3%)、「食事のバランスが悪いため」(25.5%)などが上位に挙がり、食べた物が便のにおいに影響していると考えている人が多くみられました。
■においを抑え、良い便をつくるには?
なお、「においを抑え、良い便をつくる」ために心がけることとして、小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子先生は以下のように解説しています。
▽毎日朝食を食べ、繊維質が多い食事を意識する
朝起きて水を飲む、朝食を食べるなど腸に刺激を与えることで便意を促すきっかけになります。 朝、家を出る前にトイレに行く時間を設けると排便習慣も身につけられます。また、水溶性食物繊維は便をやわらかくしたり、有害物質を吸着する働きがあるため、意識して食べるのがおすすめです。
水溶性食物繊維を多く含む代表的な食品 :ニンニク、ごぼう、山芋、オクラ、芽キャベツ、アボカド、インゲン豆・大豆などの 豆類、きのこ類、さつまいも、大根など
▽水分をしっかり摂る
水分不足になると腸の内容物が腸内を通過しづらくなったり便が硬くなります。便の約 8 割は水分でできているため、こまめに水分を摂ることで便の状態を整えましょう。
▽乳酸菌などのプロバイオティクスを摂取する
腸内フローラを整える(=腸活)ために大切なのは、善玉菌を増やすものを積極的に摂ることです。善⽟菌を増やすには、善⽟菌を含むもの(「プロバイオティクス」)と、合わせて善⽟菌のエサとなるもの(「プレバイオティクス」)※を毎日の食事に取り入れることが効果的です。
※身体に良い善玉菌を含むものをプロバイオティクス、その善玉菌の栄養源となるものをプレバイオティクス、そして両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼びます。
▽おなかまわりのお悩み解決トレーニング
腸を動かすためにおなかの筋肉はとても大切です。おなかまわりには、横隔膜・腹横筋・腹斜筋・ 腹直筋があり、これらを動かすことで腸のぜん動運動は促されます。エクササイズや腸もみマッサージで腸の機能をサポートする大切な筋肉を鍛えて腸の動きを活発にしましょう。これらの筋肉は体幹の一部でもあるため姿勢改善にもおすすめです。
▽「排便日誌」をつけ、自分なりの排便ルーティンを確立する
「時間がない」「便意がない」などの理由で、朝トイレに行かない人も少なくないのでは。便意がなくても、決まった時間に行くことが大切。毎朝のトイレが日課になるように習慣づけましょう。また、排便状態を把握するのにおすすめなのが排便日誌。回数や時間、便の硬さ、におい、また食事や水分量、服薬状況などを記入することで、身体の変化にいち早く気づくことができます。