みんなが「よく歩く」都市はどこ? 2位は「神奈川県横浜市」、1位は? …全国400万人の歩数データを分析
よく歩く人が多い都市はどこなのでしょうか。ジオテクノロジーズ株式会社(東京都文京区)は、東京大学の樋野公宏准教授と鎌田真光講師との共同研究第2弾として、全国の政令指定都市における、一人当たり平均歩数を分析しました。その結果、「よく歩く都市ランキング」の1位は「神奈川県川崎市」となりました。
調査は、2022年11月9日と2023年5月16日の2日間に、同社が運営するポイ活アプリ『トリマ』で収集した沖縄県を除く全国約400万人の歩数データを抽出、一人あたり日別の平均歩数を政令指定都市ごとに集計したといいます。
分析の結果、「よく歩く都市ランキング」の1位は「神奈川県川崎市」(7561歩)となりました。次いで、2位「神奈川県横浜市」(7538歩)、3位「大阪府大阪市」(7244歩)が続き、首都圏や近畿圏など三大都市圏に含まれる政令指定都市がより歩いているという結果になりました。
特に神奈川県の横浜市と川崎市では平均歩数の差は30歩以内と熾烈なトップ争いを繰り広げているほか、横浜市では8000歩以上の割合が両日とも1位となっており、多くの市民が日常的に多く歩くことが伺えたといいます。
一方、最も平均歩数が低かった「新潟県新潟市」(5534歩)では、川崎市よりも平均で約2000歩も少なく、比較的人口規模の大きい政令指定都市に限定しても、地域間格差が大きいことが示されました。
分析を行った樋野准教授は、「一般に人口密度の高い大都市ほど歩数が多いことが知られていますが、政令指定都市の間でも約2000歩の差があったことに驚きました。こうした差が生じる要因のひとつに都市の物的環境があります。行きたくなるお店や公共施設が多い、鉄道やバスなどの公共交通が充実している都市では住民の外出率が高く、歩数も多くなる傾向にあります。また、歩数を増やすためには、自動車に依存したライフスタイルを見直すことも重要です。いつも自動車で行く場所の中でどこなら、どういう場面なら歩いて行けそうでしょうか。このランキングが、まちづくりやライフスタイルを考えるきっかけになると良いと思います」とコメント。
また、鎌田講師は、「歩数は健康上の重要な指標ですが、大規模かつ毎日継続的に測定する調査はなく、各地域の実態は詳しく分からないという課題がありました。こうしたデータも活用しながら、国や自治体で実効性のある健康・スポーツ政策の推進と検証が進み、全ての人々がアクティブに過ごせる社会の実現へとつながることを期待しています」と述べています。