出てわ出るわその数36匹! プレハブで繁殖を繰り返した地域猫を保護 優しき人たちの支援が小さな命を救った
2023年8月、奈良県大和郡山市のある民家の敷地内のプレハブに、複数の地域猫が住み着き繁殖を繰り返すようになりました。近所の通報で警察沙汰に発展し、保健所も介入しましたが、彼らは猫たちの殺処分を促すばかりです。民家の家主は、地域猫の保護などを行う複数のNPO法人などに相談しましたが、全て断られてしまいました。
猫の命を守りつつ、状況を改善したいと考えた家主は、奈良県大和高田市の団体、たかだ地域ネットワーク(以下、たかだ地域猫)に相談。たかだ地域猫のスタッフたちが連携して事態の収束に乗り出しました。
■大人猫・子猫合計36匹を数日かけて捕獲!
スタッフは現場のプレハブに向かいましたが、室内には物が多数あり隙間に猫たちが潜り込んでいるため捕獲は難儀しました。数日かけて、プレハブおよび周辺から猫たちを捕獲したその数は36匹。続々と出てくる猫に驚くスタッフでした。
3匹は猫好きの大和郡山市の市議会議員の家に保護されることとなり、17匹は去勢避妊手術をしてから、元いたプレハブ周辺にリターンすることにしました。残りの16匹の猫はたかだ地域猫で保護することになりました。
■後の猫たちのリターンも考慮し一気にプレハブ大掃除
物が多いプレハブはリターンする17匹にとっても良い環境とはいえません。たかだ地域猫はプレハブの大掃除も実施。家主の確認をしながら「捨てるもの」「取っておくもの」などを確認し、掃除しました。
捕獲や大掃除では、スタッフだけでなく一般ボランティアも参加してくれたほか、たかだ地域猫出身の猫の里親さんや支援者からも多くの寄付が届きました。これらの寄付金によって猫たちのための複数のケージを購入することもできました。
たかだ地域猫のスタッフは、大変な現場への対応を迫られたわけですが、こういった温かい応援や支援を受け「人間まだまだ捨てたもんじゃない」と胸を熱くしました。
■プレハブ捕獲は、改めてTNRの大切さを示した
たかだ地域猫で保護することになった猫たちは、その後、預かりボランティアさんの家で過ごすことになりました。まだ生まれてまもない子猫も多いですが、すくすく成長してくれ、後に里親募集をかけ譲渡会にも積極的に参加しました。
プレハブっ子たちには優しい里親希望者さんが次々現れ、巣立っていくことになりましたが、「猫たちの命を救うことができたのは、何より多くの方からの応援や支援があったからこそ。本当にありがとうございました」とスタッフは丁寧にブログで報告しました。
たかだ地域猫ネットワーク
https://takadaneko.hp.peraichi.com/
(まいどなニュース特約・松田 義人)