小学校の天井隅から行方不明になった地域猫の鳴き声が…!? 学校を説得しネットも総動員した救出劇「命を諦めない」

■体育館の天井に猫が!

みーちゃん(8歳・メス)は、左耳カットのある地域猫だった。ごはんをあげる人は複数いた。2024年2月4日、地域を散歩している人から、猫の保護活動をしている田中さんのところに、「最近、みーちゃんを見なくなった」という連絡があったという。

「ごはんをあげる人の中には、もう長くみーちゃんを可愛がっていた人もいて、心配で泣いておられたと餌やりさんから聞きました。みーちゃんに限らず、地域猫を見守ってくれる人も高齢の方が多くなり、心配とはいえ探す手立てが無いのが現状です。」

田中さんは、1月31日、体育館の地域開放時にみーちゃんが天井近くにいたと聞いた。

「体育館は換気の為に出入り口や2階の窓が開いていたりします。地域の方が気付いた時には上にいて、学校の教員に伝えたところ、おそらく追い立てたのではないかと思います。ちょっと怖い思いをさせれば、これからは入って来ないだろうと思ったのでしょう。でも、みーちゃんは逆に怖がって逃げてしまい、体育館の天井隅に入ってしまったようです」

■命をあきらめない

田中さんたちボランティアは、学校内の出来事だったので、「命に向きあう」という意味で頑張りたかったと振り返る。

「猫があきらめてないのに、人間があきらめられません!と教頭先生にも言いました。」

2月8日に仲間の猫から鳴き声のする方角を教えられて、みーちゃんの鳴き声を確認。最初は体育館の床下にいると思い、9日に捕獲器を設置した。

「でも、床下ではなかった。2月16日、鳴き声は天井からしているのだと確認しました。鳴き声が聞こえるので、保護するという選択肢しかありませんでした。みーちゃんが降りれるように梯子を設置し、置き餌も置きました。やっと姿を確認して 2月18日インスタで助けてくれる人を募り、2月19日にはボランティア仲間がステップのようなものを設置しました」

小学校の教頭は、最初ステップを見た時、絶句したという。それでも設置を許可してくれて、降りてきてくれると信じたが、みーちゃんはなかなか降りてこなかった。飼い猫ではないので、ステップを使った経験がなく、降りたくても降りられなかったのだ。その後、2月21日にステップを改良したら、やっと降りてきてくれた。地上に捕獲器を設置しておいたので、みーちゃんはそこにすんなり入ったそうだ。

捕獲後、みーちゃんは田中さんの知り合いの三井さんのシェルターで隔離期間を過ごしていた。一命を取り留めひと安心したのも束の間、27日の夜中、みーちゃんはてんかん発作を起こして夜間救急に運ばれた。

「もし捕獲できずに体育館の屋根にいたら、てんかん発作を起こして床に落下していたでしょう。入院療養していましたが、先日退院しました」(三井さん)

田中さんは言う。「今回は協力して下さる方も多く、猫のために動いてくれた方々に感謝しています。教頭先生や地域の方も応援してくれました」

現在、みーちゃんは、三井さんのシェルターで仲間たちとのんびり過ごしているそうだ。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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