電車シートにトコジラミ!乗客捕まえるも駅員「大丈夫です」→列車はどうなった?JR東日本に聞いた
首都圏のJR列車内でトコジラミが見つかり、ネット上で動揺が広がっています。JR宇都宮線の車内シートにくっついていたトコジラミを見つけた乗客が捕獲し、JR東日本の駅員に届け出ました。
しかし駅員の反応は鈍く、「はい、分かりました」「大丈夫です」と捕獲したトコジラミを受け取らなかったといいます。その後、列車はどうなったのでしょうか。JR東日本と発見者に聞きました。
トコジラミを発見したのは爬虫類(はちゅうるい)ブリーダーのみさ(@MisaKuma_Farm)さん。みささんは3月10日、浅草で開催された爬虫類の展示即売イベントに出店し、帰りの電車でトコジラミに遭遇しました。午後6時半ごろだったといいます。
みささん「JR宇都宮線の午後5時50分上野発ー宇都宮行き(15両編成、前から2両目の14号車)が大宮駅を通過した後、ボックス席の向かいに座っていた夫の隣のシート上に、トコジラミが1匹居るのを発見しました。体長は5ミリほどと結構大きく、動いていたので気付きました。近付いたところ『あれ?もしかしてニュースで見たトコジラミ?』と思った次第です」
みささんはたまたま持っていたセロハンテープでトコジラミをパウチし、みささんの夫が下車した小山駅(栃木県小山市)の改札で駅員さんに見せ、報告しました。
ー駅員の反応は。
「駅員さんは『はい、分かりました』と一言返すだけでした。夫が『いやいや、これトコジラミですよ?電車のシートに居たんですよ?本当に大丈夫ですか?一応死骸もありますがどうしますか?(受け取りますか?)』と尋ねるも、『はい、大丈夫です』と駅員さんは受け取ることなく、やり取りが終わってしまいました。事の重大さを分かってない気がしました」
翌3月11日に集英社オンラインが配信した記事では、JR東日本は「現在のところ、トコジラミが列車内にいたというお客さまのご意見や関係社員からの報告はなく、投稿内容の事実確認が取れておりません」と説明していました。その後、トコジラミがいた列車はどうなったのでしょうか。
3月13日、JR東日本に問い合わせると、「乗客からトコジラミが出たという連絡があり、申告された列車を燻煙(くんえん)しました」と殺虫剤を散布したことを明らかにし、「今回の事象を踏まえ、注意して車内を清掃するよう駅などの関係各所に伝えました」と話しました。
電車でのトコジラミ発見にSNSでは「ホテルだけじゃなく、電車でも気をつけないといけないんですか」と不安の声が上がりましたが、東京都ペストコントロール協会は「トコジラミは羽根がなく、屋外には生息しない。人にくっついて移動する」「不特定多数が集まる場所では(トコジラミ発生は)どこでも起こりうる」と説明します。
実際、2023年11月下旬には大阪メトロ(大阪市)の電車内でもトコジラミ目撃情報がSNSで広がり、メトロは保有する1380両を清掃しました。東京都ペストコントロール協会は「国内ではかなり前から定着している。リュックにくっついたり、家電量販店のマッサージチェアについたり、どこにでも隠れている可能性はある」とします。
出先などでトコジラミを見つける方法はあるのでしょうか。アース製薬のホームページでは、旅先や出張先のホテルに入ったら、「ベッド・床・壁などの隙間にトコジラミが潜んでいたり、その抜け殻が落ちていたりしないか、確認してみましょう」「黒っぽいシミがついていないかも点検してみてください。痕跡がある場合は部屋を変更してもらえないか依頼してみてもいいかもしれません」と呼びかけています。殺虫剤がない場合は、「就寝時に電気をつけっぱなしにして、アイマスクをして寝ると刺されにくいのでおすすめです」「明るい場所が苦手なトコジラミは、電気をつけたままにしておけば基本的には出てきません。トコジラミが空腹だと明るい場所でも刺すため確実な手法とは言えませんが、刺されるリスクは減らすことができます」と対策を紹介しています。
(まいどなニュース・伊藤 大介)