大学教員で「タッチタイピング」できない人も… エクセル・ワード・パワポの「まったくできない」率は?

「タッチタイピング」が全くできない大学教員は1割弱--そんな調査結果が、人材育成サービス『MENTER』を提供するWHITE株式会社(横浜市中区)による「ITリテラシー実態調査」で分かりました。また、「Ctrl+C→選択した項目をコピー」「Ctrl+V→選択した項目を貼り付け」などの日常的に使用頻度が高いショートカットキーを「知らない」と答えた人は約2割であることも分かったそうです。

調査は全国の大学教員432人を対象として、2024年1月にインターネットで実施されました。

まず、「PCの保有状況」について尋ねたところ「私用で購入したPC(ノート・デスクトップ)を持っている」(79.2%)が最も多く、反対に「学校支給のPC(ノート・デスクトップ)を持っている」は60.4%となり、大学現場におけるPC支給率がそこまで高くないことがうかがえました。

続いて、「タッチタイピングの習熟度」について聞いたところ、全体の7割弱が「できる」(できる35.0%、まあまあできる32.6%)と回答した一方で、「全くできない」(8.3%)と回答する人も1割弱存在しました。

授業の準備や振り返りなどの分析時に使うことが想定されるExcelについて、「中級クラスの関数の習熟度」を尋ねたところ、約3割が「使いこなせるものはない」(29.6%)と回答。なお、苦手としている関数については、「CONCATENTE(結合)」(習熟率22.5%)、「VLOOKUP」(同27.5%)などが挙げられています。

他方、「Word機能の習熟度」については、「使いこなせるものはない」と回答した人がわずか5.3%となり、比較的一般的な機能は使用できていることが明らかに。さらに、「PowerPointの習熟度」では、約8割が「できる」(できる42.1%、まあまあできる39.6%)と回答しており、PowerPointが日常的なツールであることが分かりました。

次に、Zoomやmeetなどの「Web会議システムの習熟度」について尋ねたところ、8割以上の人が「できる」(できる40.5%、まあまあできる44.2%)と回答。その一方で、SlackやTeamsといったビジネスシーンには浸透している「チャットツール」に関しては、「できる」が21.5%、「まあまあできる」が34.7%と習熟度が低い傾向が見られました。

いくつかの「ショートカットキー」を提示した上で知っていたものを選んでもらったところ、「Ctrl+C→選択した項目をコピー」(82.4%)、「Ctrl+V→選択した項目を貼り付け」(77.3%)などが上位となったものの、それぞれ約2割が知らないという事実が明らかに。なお、提示したショートカットキーについて「いずれも知らない」という教員は12.0%でした。

また、「実施しているセキュリティ対策」を複数回答で答えてもらったところ、「ウイルス対策ソフトをインストール」(75.7%)、「PCのOSの定期アップデート」(70.4%)、「機密情報を閲覧する際にフリーWi-Fiを避ける」(57.9%)といった回答が上位に挙げられた一方で、「複雑な組み合わせのパスワードを設定」(50.9%)、「同じパスワードを使い回さない」(40.0%)、「定期的にパスワードを変更」(27.1%)といったパスワード関連の対策は半数以下となりました。

さらに、「業務用PCがウイルス感染した際の正しい初動と思うもの」を選んでもらったところ、「LANケーブルを抜く&Wi-Fiを切断する」(49.8%)が最も多く、半数近くが正しい行動を理解する一方、間違った初動としては「情報システム部門に相談する」(31.9%)が最も多くなりました。

なお、「自身の大学におけるPCやソフトフェアの活用状況について課題に感じていること」については、「大学の教職員個々のレベルのセキュリティ知識の不足感があり、組織としてのセキュリティ対策がかなり甘い」(私立大学・理系科目担当)、「共用パソコンに個人パスワードを勝手に保存して自動ログイン設定していたり、個人のメール閲覧したままログアウトせずに帰宅するような事例によく遭遇する」(私立大学・文系科目担当)、「個人情報が含まれている機密ファイルの外部持ち出しなども制限がなく、仕事での効率面や情報漏洩の危険などが心配」(私立大学・理系科目担当)といった意見が寄せられました。

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【出典】

▽MENTER調べ

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