「かわいがっていたけど…」 高齢の飼い主と突然の別れ 優しく甘えん坊の柴犬が幸せを取り戻せますように
「高齢者はペットを飼うハードルが高い」と一般に言われます。高齢になると体が弱って世話できなくなったり、最悪亡くなった場合、そのペットが生きていくための場所を失う可能性が高いからです。後見人をたてることで、ペットの譲渡や購入が認められるケースはありますが、健康で元気な飼い主のもとで、安心して世話してもらえる環境が望ましいでしょう。
2023年、こんなことがありました。東海エリアのとある町で暮らす高齢者がメスの柴犬を飼っていました。「あさつゆちゃん」という名で7~8歳ほどの成犬です。
高齢者の飼い主はとてもかわいがっていたのですが、やむを得ない事情で飼い続けることが難しくなりました。
■高齢者から保護団体に保護の依頼が…
「せめて信頼をおけるところに、あさつゆちゃんを託したい」とし、飼い主は愛知県を拠点に活動を続けている一般社団法人SORA小さな命を救う会(以下、SORA)に依頼。これを受け、SORAがあさつゆちゃんを保護し世話をしながら、第二の家族探しをすることにしました。
無垢な瞳でこちらを見つめる表情が印象的なあさつゆちゃんは、もともと穏やかで優しい性格です。半面、突然の物音などが苦手。急に自分のペースを乱されると少々慌ててしまいます。
あさつゆちゃんの問題といえばこの程度。抱っこやなでられることが大好きで、SORAに提携する預かりボランティアさんと一緒にいつも楽しく散歩しています。初めての場所でもクンクン匂いを嗅ぎながら、積極的に前進する姿は好奇心の塊。とにかく愛らしいワンコです。
■SORAの譲渡までのフローは慎重
そろそろシニアの域に入るワンコでもあることから、両眼ともに白濁や白内障があります。獣医師さんによれば「虹彩癒着のため見えづらいかもしれない」と言います。また、保護当初、アレルギー症状が見受けられたため、SORAの預かりボランティアさんは、アレルギー食を与えています。今のところ健康面での心配はこの程度で、あとはいたって良好。安心して過ごせる「第二の家族」との出会いを今日も待ち続けています。
SORAでは、里親希望者さんが現れた際、面談、環境確認、トライアルなどを慎重に行い、その上で問題がなければ正式譲渡するというフローを行っています。慎重になる理由はただ一つ、一度心に傷を負ったワンコが、さらに傷を負うことなく、今度こそ必ず幸せな犬生をつかんでもらうためです。
大好きだったであろう高齢者の飼い主と離ればなれになったあさつゆちゃんに、平穏な日々が戻ることを願うばかりです。
一般社団法人SORA小さな命を救う会
https://sora-chiisana.org/
(まいどなニュース特約・松田 義人)
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