出会いは動物愛護センター 衰弱したシニア犬は愛情を受け元気に なでられると気持ちよさそうにウトウト

2023年5月、愛知県の動物愛護センターにシニア犬が収容されました。名前は「ザラくん」。イングリッシュ・コッカースパニエルという鳥猟犬で、本来であればガッシリとした体格、優雅な印象を与える犬種です。しかし、この時点でのザラくんにはかなり衰弱している様子。しっかり歩くことができず、両目は白内障を患っているようでした。

ザラくんの様子に心を痛めた地元・愛知県の一般社団法人SORA小さな命を救う会(以下、SORA)のスタッフはレスキューを決意し、連れて帰りました。

■預かりボラさんのお世話で元気と笑顔を取り戻した

保護当初のザラくんは皮膚にイボなどが複数あり、明らかにネグレクトの末に棄てられたように見えました。レスキュー後、動物病院へと連れていき、獣医師に診断を依頼しました。幸い白内障以外に重篤な病気はないという診断。「衰弱しているものの、適切なケアをすればきっと元気を取り戻してくれる」と獣医師。ひと安心したスタッフは献身的に世話をすることにしました。

ザラくんはSORAが提携する預かりボランティアさんの家で過ごすことになりましたが、日に日にきちんと歩けるようになり食欲も出始めました。排泄面の支障もありませんでした。ただ、人間を疑っているのか、散歩だけは当初嫌がる素ぶりでしたが、預かりボランティアさんに信頼を寄せるようになり、機嫌よく散歩するほど回復しました。

元気を取り戻してくれたザラくんは本来の性格を見せてくれるように。とても温厚でおっとりとした性格で、人間と寄り添って過ごすことが大好きな様子です。預かりボランティアさんがなでてあげると、気持ち良さと安心感からウトウトしてしまうほど。預かりボランティアさんは、こんなザラくんと一緒にいるだけで「優しい気持ちになります」と言います。

■「迎え入れたい」という里親希望者さんが現れた

そして、ザラくんのもとに嬉しい知らせが舞い込みました。かつてSORAから両目視力のないワンコを迎え入れてくれた里親さんが、「ザラくんを迎え入れたい」と申し出てくれたのです。

果たしてザラくんは、この心優しく穏やかな里親さんのもとへと巣立っていくことになりました。巣立っていく日、ザラくんは預かりボランティアさんにくったくのない笑顔を浮かべていました。それはまるで「今までお世話してくれてありがとうね。僕、これから幸せになるよ!」とお礼を言っているかのように映りました。

一般社団法人・SORA小さな命を救う会

https://sora-chiisana.org/

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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