絵画を「飲む」?ケーキを「ペイントする」??? 映えまくりの“おいしい”アート体験ができるカフェが話題

SNSでバズりまくっている“おいしい”アート体験ができるユニークなカフェ「unimocc (ユニモック)」 が大阪・梅田にあるHEP FIVE7階のTAMLABで、4月21日までポップアップを出店している。他ではお目にかかれないような珍しい体験ができるカフェに、若い世代からも注目が集まっている。

ポップアップショップのショーケースには、真っ白な四角いケーキや、隣にピンクや黄色など5色のバタークリームがのったパレット、また金平糖やココナッツなど7種類のトッピングが収まった標本箱も並ぶ。

「真っ白なケーキは『キャンバスケーキ』です。ショーケースの中にパレットや標本箱まで入っているせいか、これって食べられるの?と尋ねる方も。もちろん食べられますよ」

微笑みながら言うのは、「unimocc」マネージャーの白木ななみさんだ。

キャンバスケーキは、フランボワーズの入った真っ白なバタークリームケーキの表面に、ペインティングナイフを使って色とりどりのクリームやトッピングを自由に盛り付けて食べる、体験型ケーキセット。

クリームをチョンチョンとのせたり、大胆に塗りつけたり、そこにトッピングして完成。食べ終えるまでおよそ40分から1時間、たっぷり楽しめる。

店長の生田心さんは、キャンバスケーキで「そうか! と刺激的な体験をしてほしい」と話す。

「いざ、自由にどうぞ、と言われてもどうしたらいいか戸惑うお客様もいらっしゃいます。でもいろいろ考えながら手を動かして、完成した時にはすごい達成感を味わえるんです。そのあと、他の人のケーキを見て『あんな風に工夫してる』とか、『こんなこともやっていいんだ』と気づきます。『こうでなければ』といった固定観念を外す体験をしてもらえたらうれしいです」

学生時代、アートやデザインに携わってきたおふたり。まさに固定観念を外す毎日を送ってきた人ならではの思いが、キャンバスケーキに込められている。

「unimocc」では「ART mock drink(アートモック・ドリンク)」というノンアルコールカクテルも人気だ。名前の理由は、これらのドリンクが世界の名画をモチーフにしているから。

誰もが一度は見たことのあるクリムトの「接吻」やモネの「日の出」、英国の画家ミレーの「オフィーリア」など、絵画の色味や特徴を反映したスペシャルなドリンクだ。

黄金色の辛口ジンジャーエール「接吻」の作家は、黄金色を使った作品を数多く残したオーストリアの画家クリムト。底に沈む赤と緑の四角いゼリーは、「接吻」で描かれた男女の足元に広がる花畑を、氷の中の鮮やかなレッドカラントは女性エミーリエの胸元にあしらわれた赤を表現しているそう。

さらに“クリムト感”を際立たせるため、中にはたっぷりのジンジャーゼリーが!きらきらゼリーの触感と、絵画の解説のあるドリンクカードを楽しみながらおいしくいただける。

「unimocc」にはパティシエがいない代わりに、アートに詳しいメンバーがそろう。

「パティシエという専門家がいないからこそ、思い切った挑戦ができる。アート視点で絵画作品の色や形といった概念を、うまくドリンクに反映できたと思います」

新メニューの考案は、店長の生田さんが名画好きのお客様からのリクエストや、提供する季節などを考え、候補になる絵画をいくつか選定。それを制作チームに提案する。ポイントは「味のある絵」だそう。

「文字通り『緑なら抹茶』とか、味が連想できる絵を選びます」と白木さん。見た目はもちろん、食べた瞬間に笑顔になるおいしさをと、みっちり半月ほどの期間を制作に費やすという力の入れようだ。

これからのドリンクメニューについて、生田さんは日本画のモチーフも出していきたいと言う。

「梅田のポップアップも、谷町六丁目の本店もインバウンドの方がとても多いので、日本を味わう ART mock drinkも提供していきたいです」

本店は本格的なギャラリーが併設されたスタンディングカフェで、やはりキャンバスケーキと、ポップアップ以上に種類が豊富なART mock drinkを提供する。アート好きで、来店するたびに違う友人を誘って訪れるリピーターも多い。目立つのはインバウンドで、欧米や中東の方がSNSを見てやって来るそうだ。

2人とも「絵を通じて、お客様同士が感想など想いを共有したり、描いた作家の気持ちに思いを馳せたり。そうやって、少しでもアートに興味を持っていただけたらうれしいです」と語ってくれた。

(まいどなニュース特約・國松 珠実)

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