なにこの表情…「あまりにも脱力系で肩こりが治りそう」弥生時代のデフォルメセンスあふれる土器の絵が話題に
弥生時代のデフォルメセンスあふれる絵画土器がSNS上で大きな注目を集めている。
「天理参考館にあった弥生の絵画土器の人物があまりにも脱力系で肩こりが治りそう。」と件の絵画土器を紹介したのはフリーペーパー「縄文ZINE」の公式アカウント(@jomonzine)。
丸と点でかなりシンプルにデフォルメして描かれた人物像。これは奈良県田原本町の唐子・鍵遺跡で発掘された弥生中期(紀元前2世紀~紀元1世紀頃)のものだそうだ。
当時の人々はいったいどんな思いでこの絵画土器を描いたのか…ロマンあふれる今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「これ可愛いですよね 天理参考館はボリュームたっぷりで途中の路も面白くていいですね」
「弥生時代には既にデフォルメの概念が存在したw」
「弥生時代の幼稚園?で当時の子供たちが作った作品なのかもなぁ…」
「弥生式土器は焼くのに特別な窯とか要らないらしく 当時は各家庭めいめい自分ちで自家製の器を作ったんで結果こういうユルい絵柄もできたのかもしれませんね。」
など数々の驚きの声が寄せられている。
■投稿者さんに聞いた
縄文ZINE編集長の望月昭秀さんに話を聞いた。
ーー今回の展示に足を運ばれたのは。
望月:考古館や郷土館、博物館を巡るのが趣味で、天理参考館も行ってみたい場所でした。特に縄文時代のものを中心に見ていますが、興味深いものであればどの時代、どの国のものでも楽しんでいます。
ーー当時の人々がこういったテイストの絵を描いたことについて。
望月:時代時代で見ていくことがより面白いです。今回の脱力絵画は弥生時代のものですが、縄文時代や次の古墳時代と比べても描かれるモチーフや描かれる頻度、写実性など、それぞれ異なっていて、その上でなんで弥生時代の絵画はこんなに脱力系なのかということが面白いと思いました。この絵だけでなく、弥生時代が全体的にこういったシンプルなタッチなんです。現代人がみて笑ってしまうようなタッチでも、実は彼らにとっては大真面目な絵画だったのかもしれません。
ーー投稿が反響を呼びました。
望月:弥生時代の研究者が「縄文時代や古墳時代に比べて弥生時代のファンが少ない」と嘆いておられていたので、この脱力弥生絵画をきっかけに弥生ファンが増えると良いですね。
◇ ◇
望月さんがこの絵画土器を見つけた天理大学附属天理参考館は奈良県天理市にある民俗学・考古学の博物館。世界各地の貴重な生活文化資料・考古美術資料を収集、展示しているので、ご興味ある方はぜひ足を運んでいただきたい。
なお今回の話題を提供してくれた縄文ZINEからは「土から土器ができるまで/小さな土製品を作る」など縄文時代に関する数々の書籍が発売されている。いずれも歴史やその時代に生きた人々へのリスペクトにあふれた力作なので要チェックだ。
天理大学付属天理参考館施設概要
所在地:奈良県天理市守目堂町250番地
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)