19匹が暮らす借家に「立ち退き要求」 行き場がない猫たちを救え
2022 年9 月、千葉県我孫子市のとある場所で、老朽化した何棟もの借家の取り壊しをするために、「立ち退き要求」が出されました。この借家に住んでいた家族は、それまでの間19 匹もの猫を家外自由飼いしており、その半数以上は避妊手術などをしていない状態でした。
この家族は立ち退き要求に応じ借家を去ることになりましたが、困ったのは猫たちです。そこで地元で猫の保護活動を行う団体、ねこ友会に保護の相談。これを受けたねこ友は取り壊し予定の借家へと保護に向かいました。
■借家に残った17匹を2週間をかけて保護
猫を外飼いしていた人は、すでに別の場所へと引っ越しを済ませており、その際に「老齢の2匹だけを引っ越し先に連れていった」と説明します。つまり、この取り壊し予定の借家に残されている猫は17匹。ねこ友会が保護に来るまでの間、毎日残った猫のためにエサを与えに通っていたと言います。
スタッフはここにいる17匹全てを2週間かけて保護することに成功。避妊手術を終えていない猫に手術を実施した後、相談してくれた飼い主や、ねこ友会と懇意の別団体に迎え入れてもらい、この地で育った猫たちは行き場を失うことなく、いったんは第二のすみかを確保することができました。
■保護された猫たちはそれぞれ幸せをつかんだ
ねこ友会で引き取ることにした猫のうちの1匹は人懐こく穏やかな性格のメス猫で、後に「ソフィアちゃん」と名付けられました。
グレーの毛並みが美しい女の子ですが、何しろ外での自由な生活が長かった猫です。以降、家の中での生活を行うために、ねこ友会提携の預かりボランティアさんの元で、トレーニングをしながら過ごすことになりました。
そして、それから1年2カ月後には「ソフィアちゃんを迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ、見事幸せな第二の猫生を掴むことができました。
この他にも、あの借家で暮らしていた猫たちはいくつも幸せをつかんだそうです。2週間かかった17匹もの保護はそれなりに大変なものでしたが、猫たちが幸せをつかんでくれたことで、スタッフはこの上ないねぎらいを受けた気持ちになりました。
ねこ友会
https://nekotomokai.amebaownd.com/
(まいどなニュース特約・松田 義人)