成功するには「倍速で失敗しよう」 人生を生き抜く極意も満載、起業家が伝えたい「世界のスタンダード」

今、話題を呼んでいる本がある。2024年1月に出版された古山保幸さんのビジネス書「倍速で失敗しよう」だ。ワタミで学んだ経営の本質から、世界で活躍する経営者になるための秘策を紹介。「失敗したとしても、挑戦したことを評価するのが世界のスタンダード」という古山さんの言葉に共感し、人生の書として読む人も増えている。香港にいる著者の古山さんを取材した。

■ビジネス人生に訪れる転換期、あなたならどうする?

逆説的なタイトルのこの本を古山さんが出す、もともとのきっかけは自身の経験からだった。「仕事がつらい」とか「会社を辞めたい」「起業したい」などと思っている人を励ましたいと考えたのが始まりだ。

古山さんは1977年生まれ。2001年ワタミフードサービス株式会社に入社。同社営業部長などを経て、2007年に和民中国有限公司セントラルキッチン責任者を命じられ、香港へ。2011年には司董事総経理(代表取締役社長)に就任。その後、退職し、2014年香港でG-JOYFUL LIMITEDを設立し、ここから起業家としての古山さんの人生が始まった。

そこからManuLife HongKongの保険代理人をしつつ海外法人セットアップ、口座開設、ビザ取得や事業サポート、資産運用などを手がけた。 2018年には千代不動産株式社を設立すると、2019年シンガポール法人G-BROS PTE.LTD、2020年飲食店や美容サロンを運営する株式社G-BROSを設立するなど香港をはじめ、日本、シンガポール、中国、カンボジア、ドバイでビジネスを展開している。

すごい活躍だが「僕自身、ワタミに入社した時は、独立なんて考えてもいませんでしたし、まさか、香港で起業するなんて予測だにもしていませんでした」と驚きの連続だったと振り返る。

そこで起業から6カ国で事業展開するに至るまでの思考や習慣を整理。私のように読者の皆様も何かの転換期でサラリーマン人生が変わったり、起業家を決意されたりするかもしれないと思い、この間に私自身、学んだことや失敗したことを、経営者やこれから起業する人、今、働いている人、それぞれの立場で役立ててほしいと思ったのです」とまとめることにした。

実際、このワタミ時代の経験も、この本にはたっぷり盛り込んでいる。例えば「初めての店長で、ワタミの全国1位に」「19歳のアルバイトをリーダーに抜擢し、ワタミの全国売上げトップ3に」「採用は直感でいい」など、興味ある内容が最初からいっぱいなのだ。

■本で一番言いたかったことは「失敗を恐れないこと」

今や世界を舞台に活躍している古山さんだが「世界や日本で活躍するには、失敗を恐れないこと」と断言する。「失敗したらどうしよう」「恥ずかしい」と日本人は考えがちだが「たとえ失敗したとしても、挑戦したことを評価するのが世界のスタンダードである」と力強く語ってくれた。これはビジネスだけでなく、人生にも言えることではないだろうか。

古山さんの話を聞いているだけで、なんだか、生きる勇気まで湧いてくる。本を読んでいる人もきっとそうに違いない。目次も興味深いものばかりだ。

▽Part1「居酒屋には経営の本質が詰まっている」(・人生を変える出会いは、突然に。・仕事をする本当の意味とは。・あなたの会社選びの基準はなんですか?など)

▽Part2 「香港人から教わった『世界基準の仕事術』」(・中国語がまったく話せないのに、突然の香港勤務。・3日でホームシックに。・挫折が人生を変えてくれる、など)

▽Part3「画用紙1枚起業法で、世界で活躍する社長になろう」(・1枚の画用紙から始める「起業のすすめ」。・自分の「強み」「弱み」「人脈」を知ろう。・準備は2割でいい、など)

▽Part4 「人生を変える10の思考習慣」(「思考は現実化する」マザー・テレサの言葉が人生を変えた。人生を変える思考習慣1 ・叶えたいことは、口にする、など)

発売から3カ月。「本を読めば、仕事に対してやる気も湧いてくる」という声が多く聞かれ、著者の古山さんのもとには「起業してみたくなった」「失敗を恐れなくなった」「仕事にやる気が出た」などの声が届いているという。大切なのは考え方ということか。

4月はフレッシュマンも増える季節だ。就職祝いに、この本をプレゼントしてもいいかもしれない。

   ◇   ◇

「倍速で失敗しよう-香港で起業し、6か国で事業展開する経営者が伝えたい思考習慣」(現代書林、188ページ、1540円)

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