「今月、散財しちゃったなあ」 無駄遣いの傾向、地域で分析 浪費家は多いのは九州や四国 倹約家は?

無駄遣いをしている人は全国のどのエリアに多いのでしょうか。ソニー損害保険株式会社(東京都大田区)がこのほど実施した「ソニー損保 無駄遣いに関する家計調査」によると、無駄遣い額が多いエリアは「九州エリア」が1位となり、ひと月あたりの平均無駄遣い額は「2万1917円」であることが分かりました。また、卒業したい無駄遣いとしては、2人に1人以上が「飲食費」と回答したそうです。

調査は、持ち家で火災保険に加入している、かつ2022年から現在まで家計管理に携わっている全国の20~60代の男女800人を対象として、2024年2月にインターネットで実施されました。

帝国データバンクの調査(※1)によると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした飲食料品の値上げは、2023年は3万2396品目となり、2022年の2万5768品目を25.7%上回る記録的な値上げラッシュとなった1年でした。

(※1)帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査-2023年動向・24年見通し

同社が実施した「2024年に“卒業したい無駄遣い”や家計の状況」についての調査によると、全体の87.9%が「家計への影響があった」と回答しました。しかしながら、値上げラッシュによる支出は増加した一方で、「支出の中で無駄遣いだったものがある」と回答した人が76.3%に上ることが明らかとなりました。

そこで、「支出の中で無駄遣いだったものがある」と回答した610人の「1カ月あたりの無駄遣い額」を調べたところ、全国平均で「1万7678円」という結果になりました。

これを全国を10のエリアに分けてみると、「九州エリア」(2万1917円)が1位に。次いで、2位「四国エリア」(2万1121円)、3位「北陸エリア」(2万1037円)、4位「関東エリア」(2万405円)、5位「中国エリア」(2万61円)と続き、西日本のエリアで無駄遣い額が多い傾向が見て取れました。

一方で、最も無駄遣い額が少ないエリアは「甲信越エリア」の1万2672円と、1位の「九州エリア」と約1万円近く差があることが明らかになりました。

また、「今年卒業したい無駄遣い」を複数回答で答えてもらったところ、「飲食費」(55.1%)が唯一過半数を超えたほか、「衣類・ファッションアイテムの購入」(26.7%)や「嗜好品(お酒・タバコ)の購入」(20.7%)、「娯楽費(映画館、ゲーム、趣味にかかる費用など)」(18.4%)といった変動費が上位を占める結果となりました。

なお、「無駄遣いをしてしまう理由」についても複数回答で答えてもらったところ、「安いとつい買ってしまうから」(56.2%)、「ストレスや不安の解消になるから」(35.7%)、「欲望や衝動を抑えられないから」(28.7%)、「計画性がない、よく考えて購入しないから」(25.9%)、「無駄遣いと認識していないから」(12.6%)などが上位に挙がり、自己抑制ができないことが無駄遣いの主な原因であることがうかがえました。

ちなみに、近年の値上げラッシュをうけ、「家計を節約するために行ったこと」を全回答者に複数回答で教えてもらったところ、「外食を控えて内食(自炊)を増やす」(59.1%)や「日用品の節約」(58.0%)に回答が集まったほか、「食料品の節約」(52.1%)といった意見もみられたことについて同社は「日用品・食料品は値上品目数が多かったことから、このような結果に繋がった」と推察しています。

一方で「火災保険の見直し」は全体の88.3%が「行っていない」と回答。さらに、74.6%の人が、2024年度を目処に「火災保険が値上げを予定していることを知らない」と回答したそうです。

   ◇  ◇

【出典】

▽ソニー損保の火災保険

なお、同調査では、「無駄遣いを抑えて、うまく家計をやりくりするにはどうすればよいのか」についてファイナンシャルプランナーの馬場愛梨さんは以下のように解説しています。

【「無駄遣い予算」を決めてしまおう】

​無駄遣いゼロにするのは難しいことです。​最初から高いハードルを設定すると挫折しやすくなってしまいます。いっそ「無駄遣いしてもOK」と割り切って、「ただし月に○円まで」と予算を決めるのも1つの方法です。​

普段自分の支出を把握していない人や家計簿をつけていない人でも、「無駄遣いしたな」と思ったときに手帳などにメモして、あとから振り返れるようにしておけば充分です。まずは、自分が1カ月(1週間)にどれくらい無駄遣いしているのか、ざっくりと把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。しばらく続けていると、「自分はこういうときに無駄遣いしやすいな」という傾向が見えてきて、気を付けやすくなります。

【過度な節約は禁物】

節約するなら、ひたすら全てを我慢するのではなく、お金を使うところと使わないところをはっきりと区別してメリハリをつけるのがおすすめです。「これだけは譲れない」「○○にはお金をいくら使ってもいい」というポイントが1つ決まっていれば、それ以外の何かが安く売られていても、惑わされずに済むでしょう。

適度な節約を心がけたい一方で、いきすぎると大きなストレスに繋がることもあるので注意が必要です。一生懸命「支出を抑えよう」と数円単位の細かい節約をいくつも実践していても、そのことがストレスになって衝動買いに走ってしまっては意味がありません。

【ストレスなく出費を抑えるには】

ストレスなく出費を抑える方法として、前述の「メリハリをつける」以外でおすすめなのが「固定費の見直し」です。固定費とは、毎月一定額を継続して支払っていくタイプの出費のことです。たとえば、家賃や住宅ローン返済などの住居費、スマホ代やインターネット代などの通信費、保険料やサブスクリプションサービス(サブスク)の利用料金などが挙げられます。

食費、交際費、趣味代など固定費ではないもの(=変動費)の場合、節約しようと思うと、日々お金を使うたびに意識することになります。しかも節約した分、生活の質が下がることも多く、ストレスを感じる人も少なくありません。

しかし固定費は、一度見直しておけば、普段は意識しなくても節約効果がずっと続きます。しかも、契約内容を確認して不要なオプションを省いたり、あまり利用していないサブスクを解約したりしたからといって、生活の質が極端に下がることはないでしょう。さらに、何にいくら使ったのか、通帳やクレジットカードの明細などを見ればほぼ確実に把握できる点もメリットです。

【固定費の見直しをやってみよう】

固定費よりも変動費の節約に力を入れる人が多いようです。固定費の見直しは一定の知識が必要になったり手間がかかったりするため、意識しやすく手軽に節約できる変動費ばかりに目がいきがちです。ただ、まだ固定費を見直していない人は、一度じっくりと時間を取って、節約できる余地がないか確認してみるのがおすすめです。

たとえば、保険料を抑えたいと思ったら、保険証券などで現在の契約状況をチェックしてみましょう。「契約時から時間が経って状況が変わったのに、契約内容はそのままになっている」「よくわからない特約(オプション)がついている」といったケースも少なくありません。不要な分を外せば、保険料が安くなります。

   ◇  ◇

【出典】

▽ソニー損保の火災保険

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