飼い主が備えていた「亡き後」 ペット信託制度で救われた保護猫 故人の愛を受けながら穏やかな日々を過ごす
古民家を改装した猫カフェを営みながら、猫のあらゆるサポート活動を行うCafe Gatto(福岡県)。猫カフェにいる保護猫たちをキャラクターにしたグッズなどを販売しています。
あずきの飼い主は、Cafe Gattoが設定する「ペット信託制度」を利用していました。飼い主が死去した後、行き場を失ったあずきはその制度に則ってCafe Gattoに保護されました。
■Cafe Gattoの「ペット信託制度」
Cafe Gattoのペット信託制度とは、事前に飼い主が家族や友人などの「信頼する第三者」と信託契約を結び、飼い主の身に何かが起き、愛猫を飼育できなくなった場合に備えて事前に飼育費用を定期預金。後に、その口座のお金を「飼育費」とし、Cafe Gattoが保護しお世話をするというもの。
飼い主が生前からこの制度を利用していたおかげで、あずきは行き場を失うことなく、Cafe Gattoに迎え入れられ他の猫たちと一緒に穏やかに暮らすことができているというわけです。
あずきは、Cafe Gattoが取り組む制度や活動を象徴する猫となり、グッズなどでも人気を得るようになりました。
■障がいがありながらも穏やかで優しい性格
あずきは先天的に背骨が曲がっていました。飼い主はこのケアもしっかり行ってきており、半年に一度は曲がった背骨が臓器を圧迫していないかなどを検診してもらっていたそうです。あずきはとても大切にされていましたが、背骨の曲がりからあずきの歩き方は今もぎこちなく、トコトコと小さく歩きます。
性格は極めて穏やかで場の空気もしっかり読めるお利口さん。大好きなスタッフを見つけては、膝に飛び乗ってくることもあり、甘えん坊な面も見せてくれます。
■9歳になった今も他の猫たちと穏やかに過ごす
今年で9歳になり、そろそろシニア猫です。曲がった背骨の影響から心臓の病気を抱え、おしっこが出づらくなることもあります。
しかし、亡くなった飼い主の意思を受け継いだCafe Gattoの検診的なサポートのおかげで、あずき自身もいつものんびり穏やかに過ごせているようです。
あずきは他の猫との協調性も抜群。他の猫は、あずきが近くにいると穏やかな表情を見せてくれ、みんなでのんびり過ごしています。きっと天国の飼い主さんもこの光景に目を細めていることでしょう。
あずきは現在、「ずっとのお家」を見つけるべく里親募集中です。生まれつきの障がいや持病を十分理解した上で迎えていれることが大前提。あずきファーストの生活を送ってくれる里親さんとのマッチングを願うばかりです。
Cafe Gatto
https://nekoCafe Gatto.com/
(まいどなニュース特約・松田 義人)