結局のところ、フリーランスvs会社員…どっちが良いの? 収入面では“意外な現実”も
仕事や働き方が選びにくい、人間関係のわずらわしさがある、収入に限界があるなど会社員でいることにデメリットを感じる人も多くいらっしゃるでしょう。
「ならば、いっそ自由度の高いフリーランスに……。」
なんて、考えていませんか。ところが、フリーランスで生計をたてていくのは簡単なことではありません。フリーランスだって税金を払う必要があります。フリーランスは国民年金のみの加入になり、保険料は全額自分で支払わなければなりません。
■収入面でみると、どちらが有利?
「フリーランスの方が多く稼いでいるのか?」
「会社員との収入差は?」
みなさん気になるポイントですが、結論から言いますと、フリーランスの収入と会社員の収入に大きな差はありません。
内閣官房日本経済再生総合事務局が、2020(令和2)年5月に発表した「フリーランス実態調査結果」という資料があります。 資料で紹介されているフリーランスの年収と雇用者の年収を見てみます。
主たる生計者が本業として行うフリーランスの方の年収は、300万円未満が全体の51%。また、年収800万円以上の割合は8%となっています。
一方で雇用者として年収を得ている方では、300万円未満は全体の53%。年収800万円以上の割合は6%となっており、どちらの割合も大きな差がありません。収入面だけでみると、必ずしもどちらが良いとは言えない状況のようです。
■フリーランスと会社員のメリット・デメリット
「フリーランス実態調査結果」によると、契約の場所や時間の拘束に関して「すべて自身の裁量で決めることができる」という回答が最も大きな割合を占めていました。従って、フリーランスのメリットは、場所や時間に関して自身の裁量で決められる点であると言えるでしょう。
一方で、主な契約の発注者が一方的な都合により、「今回は、当初に取り決めた報酬の額の8割しか支払えない」と伝えてきた場合の対応について「そのまま受け入れる」と回答した割合が最も大きな割合を占めていました。理由は、受け入れないと今後の取引が切られる、または減らされるおそれがあるためです。従って、フリーランスのデメリットとして、取引を継続するために不本意な条件を受け入れざるを得ない場合がある点が挙げられます。
収入差を中心に、フリーランスと会社員のどちらが良いかを検証してきました。自分のライフスタイルや目標に合った働き方をするのが一番でしょう。仕事は収入の良し悪しだけでは判断できません。これを機に最適な働き方について考えてみてはどうでしょうか。
【監修】佐藤有希子(さとう・ゆきこ)愛知県在住。3級ファイナンシャル・プランニング技能士。2017年よりWebライターとして活動を始め、主に金融・お金に関する記事の執筆を行うこれまで携わった記事は800以上。