190円でステーキ食べ放題!?こんな社食があるなんて…「入社したい」「昼飯だけお邪魔したい」羨望の声ぞくぞく
「これ、うちの会社の社食なんだけど.....」
広島県福山市を拠点とする金属加工業の株式会社キャステムにて、プロダクトマネージャーを務める池田さん(@IRON_IKEDA)。自社の社食(社員食堂)の料理写真をX(旧Twitter)に投稿したところ、その斬新かつ豪快な様子が話題になりました。
てんこもりに積み上げられた肉の塊。これが社食のメニューというのだから、驚きです。
しかも池田さんによると、お値段は「値上がりして190円」とのこと。安さも豪快です。
この写真が公開されたXのリプ欄にも、驚きのコメントが多数寄せられました。
「ワイルドで美味しそうですね」
「ガッツリ系ですね!企業戦士は体力つけなければ!」
「社食食べるためだけに入社したいところだ!」
「明日からお邪魔してもいいですか『昼飯だけ』」
「ひとり一枚でしょ」とコメントされる方も。ところが、それに対しての池田さんの回答は「食べ放題です!」。190円でこの肉が食べ放題とは…。
「取るときに崩した人の負け、というルールでいいですか?」、「下から抜いて上に重ねる感じで大丈夫ですか?」といった声に、池田さんは「それはジェンガなんよ!」とツッコミを入れています(笑)。
■ステーキだけじゃない! 豪華すぎるメニューの数々
見た目の豪快さ、値段の安さ、食べ放題…3つもの点で驚かせてくれた株式会社キャステムの社食。一体なぜ、このメニューを作ったのでしょうか。
同社にて広報を担当されている藤田さんにお話をうかがいました。
--社食も社内で運営されているのですか?
藤田さん:はい、社食の外注はしておりません。過去にシェフとして活躍していたご夫妻を社員として迎え入れました。現在は食堂チームとして従業員6名で運用しています。
--今回の「ステーキ食べ放題」はどのような経緯で行われることになったのですか?
藤田さん:今回のメニューは食堂シェフの発案で年に数回行っています。食堂が出来た当時、何かイベントをやりたいと考えた時、お肉をこれでもかというほど社員に食べさせたい!!という思いではじめたのがきっかけです。
--本当に190円で食べ放題?
藤田さん:なかなか信じてもらえませんが、社員負担190円で自分が気が済むまで食べられます(笑)。白ご飯はもちろん、メイン料理までお代わりができちゃうんです。また、苦手なメニューがあったり、まだ物足りないと感じたりした人のために、毎日日替わりカレーも用意されています。今回のステーキ食べ放題で余った肉など、まだ使える食材などは、そのカレーの具として利用されます。
--今回のステーキ以外に、豪快さを感じさせるようなメニューは?
藤田さん:月に一度「チャレンジメニュー」という日を設けており、食堂の予算内で切り詰めて節約したお金を特別な日に当てて、いつもより豪華なメニューを提供しています。毎月「ステーキ食べ放題」ではなく、土用の丑の日には「うなぎ」やクリスマスには「タンドリーチキン」など、季節に合わせて特別なメニューが提供されます。
--社員だけでなく、外部の方でも食事可能?
藤田さん:取り引き先のお客様や工場見学に来てくれた学生さんたちも一緒に召し上がっていただけます。
■“好奇心旺盛”な社長の思いが溢れた数々の取り組み
さらに、藤田さんは、社食ができた経緯についても教えてくださいました。
藤田さんによると、社食ができる以前は、同社の社員たちはお昼休み、長机のある部屋でテレビを見ながら、仕出しの冷たいお弁当やコンビニ弁当を、黙々と食べていたそうです。
しかし、その様子を見た同社社長・戸田拓夫さんが、「こんな休憩時間ではなんの憩いにもならない、温かいご飯を食べてもっと社員が楽しめるようにしよう」と発案。6年前に社員食堂が誕生したといいます。
藤田さんによると、社食ができてから、あまり接点の無かった部署の社員同士も食事を通じて交流が深まり、以前にも増して仕事をする活力が生まれたとのことです。
「昔を知っている社員はもちろん、今の食堂のありがたみが身に染みて分かりますし、味や栄養バランス、価格設定を含めてもう他のご飯を食べようとは思わないでしょう」(藤田さん)
社食創立5周年を迎えた昨年には、記念としてマグロの解体ショーを実施しました。実際に、社員たちの目の前で、職人がマグロを解体。
その日のメニューはもちろん「鉄火丼」。マグロもお代わりできたとのこと。
「従業員ももちろんですが、それ以上に社長が誰よりも好奇心旺盛なんです」
このように語る藤田さん。実際、社食のメニューやイベントをみても、戸田社長のそのような気質が垣間見えます。
その他にも、株式会社キャステムでは、面白い取り組みをたくさん行われています。
例えば、昨年8月には「キャステム史上最大のイベント」として、福山本社から長崎までの600キロの道のりを、同社の従業員たちがタスキでつなぐ『キャステム折り鶴駅伝 2023』を開催。炎天下のなか5日間かけ、かつて原爆が投下された2県を結び、戦争の絶えない世界に平和を訴えました。
◇ ◇
株式会社キャステムは、ロストワックス製法・金属粉末射出成型法(MIM製法)を主軸にした、一般産業分野の精密鋳造品を製造を事業としており、近年ではその技術を生かしてアニメや有名人とのコラボ商品を製造するなど、法人だけでなく一般層にもターゲットを広げています。
現代では、ネットやSNSが普及し、大勢の人に情報が届けられるようになりました。“鋳物”も世間の人たちにより身近に感じてもらえるようになったと、藤田さんは話します。
さらに、最近では、3Dプリンタを活用した新鋳造法「デジタルキャスト」を立ち上げたり、業務効率の向上や働きやすい環境づくりのため、グループ全体のDX化改革にも力を入れるなど、“好奇心”を原動力に、さらなる発展に向けて活動を続けています。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))