東京ホテイソン・たける「僕の名演技も見て」 映画「風の奏の君へ」6月全国公開…あさのあつこ原案、岡山県美作地域が舞台
岡山県内有数の茶どころ・美作地域が舞台の映画「風の奏(かなで)の君へ」が6月7日に全国公開される。美作市在住の作家あさのあつこの小説を原案に、同市出身で映画監督の大谷健太郎が監督・脚本を担当。出演したお笑いコンビ・東京ホテイソンのたける(29)=高梁市出身=は「すてきな作品に出させてもらった。僕の名演技?も見どころで、全国の方に岡山、美作の魅力を知ってほしい」とアピールする。
ピアニストの里香(松下奈緒)と、元恋人で家業の茶葉屋を継いだ淳也(山村隆太)、浪人生の渓哉(杉野遥亮)の兄弟の間で揺れ動く心模様を描いた恋物語。大谷監督が「美作の小説と映画を全国に!」と、あさのの小説「透き通った風が吹いて」(2015年刊)をモチーフに手がけた。
たけるは、淳也の友人の医師で地域活性化に取り組む商工団体メンバーの藤井役を演じた。「地元を盛り上げようと熱い思いを持つ人物。岡山の良さを全国に伝えたいと思っている自分にぴったり」。備中神楽のお笑いネタが製作陣の目に留まり、岡山弁が自然と話せる点もオファーのあったポイントという。
茶をPRしようと淳也が提案した、香りや味で各産地をきき当てる「茶香服(ちゃかぶき)」のイベントの司会を務めた藤井。ヒロインを巡り兄弟が勝負する重要なシーンで、撮影スタッフからは芸人としての“場慣れ感”を抑えた演技を求められた。「緊張しつつも意気込んだ様子をうまく表現できたと思う」。役作りの参考は、幼少の頃に通った地元・高梁市成羽地区の土曜夜市を盛り上げていた「市役所の本庁の人」からイメージした。
スクリーンには「燃えるような緑」の茶畑をはじめ豊かな自然が映し出され、「県北の自然の美、おいしそうなお茶、優しい人々など地域の魅力が存分につまった映画。きっと岡山の魅力が全国に伝わるはず」。
ショーゴ(30)=東京都出身=とコンビを組み結成10年。映画出演は3作目となり、朝のテレビ番組で曜日レギュラーを担当するなどマルチに活躍の幅を広げる。「自分に限界をつくらず、何事にも挑戦したい。日曜劇場や大河ドラマから声がかからないかなぁ」と語り、“本職”のお笑いでも漫才コンクール「M-1グランプリ」王者を念頭に「(津山市出身の)ウエストランドも優勝した。僕たちも上位を狙う」。節目の年に一層の飛躍を期した。
(まいどなニュース/山陽新聞)