旅先の沖縄 カフェの軒先で見かけた野良猫親子が心配 「4匹を東京で引き取ります」 出会いから保護活動が始まった
沖縄の観光地に、母猫と第一世代の息子猫、さらに第二世代の子猫3匹が野良状態で過ごしていました。近隣は交通量も多く世話をしている人がいるかもよくわかりません。
親子猫の存在を知ったのは、たまたま沖縄旅行に来ていた東京の女性。旅行中に猫にまつわる困りごとをサポートする会社「ねこから目線。沖縄」に連絡し「保護かTNR、あるいはなんらかのアドバイスを」と相談しました。相談を受けたスタッフはこの旅行者と現場付近で待ち合わせ、状況を確認することにしました。
■「母猫と子猫3匹を東京で引き取ります」
現場付近を捜索すると、近くのカフェの入口で、母猫とすでに大きくなっているにも関わらずミルクを求め群がる3匹の子猫たちがいました。人を警戒する様子は全く無く、無防備な姿で寝転んでいます。
スタッフがカフェの店員さんに話を聞くと、1年ほど前にキジトラの母猫が現れるようになり、ほどなくして2匹の黒猫を出産。このうち1匹は交通事故で死んだそうです。その後母猫は3匹の子猫を産み現在に至っているのだそう。
この話を受け、旅行者とスタッフはあらためて相談。「ねこから目線。沖縄」はTNRの協力は可能ですが、引き取りは対応できない状況でした。また、授乳中の子猫たちの不妊手術の対応もまだ難しそうです。旅行者はしばし考えを巡らせました。
この旅行者は、以前から「いつか猫の保護活動をしたい」と考えていました。今回の親子猫との出会いをきっかけに本格的に保護活動を始めることを決心。「この子たちを東京で引き取ります」とスタッフに伝えました。
「ねこから目線。沖縄」にて、まず母猫の手術手配と子猫たちを空輸するにあたっての初期医療(ノミ駆除、ワクチン、駆虫)のため一時預かりで対応することに。そして、子猫3匹と母猫を東京に空輸。首都圏での里親希望者さんへのマッチングを目指すことにしました。第一世代の息子猫のみTNRし、地元の方にお世話を続けていただきながら過ごしてもらうことにしました。
■子猫たちは里親さんへ。母猫はこの旅行者の家猫に
親子猫は東京で新生活を始めました。
その後、子猫たちの里親募集を個人で行い、チラシ作成やSNSでの告知を始めました。譲渡の申し込みがあり、子猫は間もなく幸せな猫生をつかめそうです。子猫たちを育てた母猫は、旅行者の家の「飼い猫」として迎え入れることにしました。
スタッフは「旅行中に訪れた観光地で、たまたま見た親子猫を前に思いを寄せ、ここまで大きな決断をしてくれる人はそういるもんじゃない」と胸が熱くなりました。こういった心ある人たちの思いを受けて、子猫たち、そして母猫の今後の猫生が幸せで、いっさいの不安のないものになることを願うばかりです。
(まいどなニュース特約・松田 義人)