逃げ出してしまった愛猫 探し続けること13日間 やっと手掛かりが見つかった
2024年1月、関西のとある民家から2匹のきょうだい猫が外に出てしまいました。飼い主さんが窓の鍵を閉め忘れたようです。
弟猫はほどなくして家に帰ってきましたが、姉猫のネルちゃんは帰ってきません。付近にいることを考え、飼い主さんは一週間ほど探し続けましたが、手がかりを得られませんでした。そこで、猫のあらゆるサポートを行う会社「ねこから目線。」に連絡。ネルちゃん捜索の手伝いを依頼しました。
■「2つの可能性」それぞれの対策を講じる
スタッフは「早いほうが良い」と、その日の深夜に飼い主さんの家を訪れヒアリング。2つの可能性を考え対策を講じることにしました。
ひとつは「まだ付近にいる可能性」を考え、周辺数カ所にカメラを設置。もうひとつは、近隣に野良猫が数匹おり「餌場に来るな」とネルちゃんが追われるなどして「遠くに逃げてしまった可能性」を考え、捜索チラシを作成。離れたエリアまでポスティングをすることにしました。
■近隣の方からの目撃情報が相次いだ
周辺に設置したカメラの映像を確認すると、映り込むのは野良猫ばかり。一方、ポスティング直後から近隣の方からの目撃情報が相次ぎました。さらには「今さっきそこで見た」という近所の方からの連絡があり、すぐに飼い主さんが急行。ネルちゃんはすでに姿を消していましたが、目撃場所付近にエサを置き、あらためて訪れることにしました。
■ネルちゃんが「降りた」その先には…
翌日、飼い主さんとスタッフがこの場所へ訪れると、昨日連絡をくれた方が「しばらく塀の上でネルちゃんらしき猫が過ごしていたけど、敷地内に降りたまま見えなくなった」と教えてくれました。
「降りた」というその先は塀で囲まれており、逃げられるスペースはありません。一方、小さな穴がありました。「この穴の中でネルちゃんが過ごしているのでは」と直感したスタッフは、カメラを設置しいったん撤退しました。1時間後、前述の方から「今塀にいるよ」と連絡がありました。すぐに飼い主さんとスタッフが再訪すると、またもネルちゃんの姿はありませんでしたが、有力な情報をつかめました。カメラにネルちゃんの姿が映っていたのです。
「やはり、あの小さな穴にネルちゃんがいる」と確信したスタッフは、近くに捕獲器を設置。すると、エサの匂いにつられ、30分ほどでネルちゃんが現れ、無事に捕獲器に入ってくれました。
■「穴の中よりやっぱりお家が良いわ」
飼い主さんの愛情と諦めない思い、近隣の方の好意、そしてスタッフによる連携で無事に捕獲されたネルちゃん。飼い主さんの家に13日ぶりに戻ることができました。
ネルちゃんは家へ帰った直後、体重が3分の2ほどに減り衰弱していましたが、その後健康状態も回復。「あの穴の中よりもやっぱりお家のほうが良いわ」と言わんばかりの表情で、再びのんびり過ごしています。
(まいどなニュース特約・松田 義人)