降雪期 会社の敷地に迷い込んだ猫 人馴れして超がつく甘えん坊のあなたは飼い猫? 「なぜ棄てたの」元の飼い主への複雑な感情

2023年の暮れのある日、関西圏のとある会社の敷地内に、姿を見せるようになった1匹のオス猫がいました。後に付けられた名前は「あーちゃん」。推定4歳ほどです。

ずいぶんと人馴れしている様子で、どうも飼い猫で意図的に棄てられ、この会社にたどり着いた様子でした。心ある従業員さんたちがしばしあーちゃんを見守っていましたが、敷地内にはトラックが停まっており、事故に巻き込まれる可能性がないとも限りません。季節は冬です。雪がたくさん積もる地域でもあり、ある従業員さんがいったん自宅に迎え入れることにしました。

■体が大きく、怖がられてしまったあーちゃん

優しい従業員さんの愛情を受け取り、すっかり懐いたあーちゃんでしたが、体が大きく、遊び方も激しいため、あーちゃんに悪気はなくとも、先住猫のほうが怖がってしまうようになりました。

ともあれ、「うちの環境は安心できるところではないかも」と思った従業員さんは、後に別の里親さんへ託すことを決心。そして、猫にまつわるサポートを行う会社「ねこから目線。」に募集協力を依頼しました。

■「もとの飼い主は最悪の事態を想像できなかったのだろうか」

あーちゃんはこの従業員さんだけでなく、初めて会う人にも平気で抱っこさせてしまうほどの甘えん坊。そして「ちゅーる」が大好きで、パッケージを見せればすぐに寄ってきては「ちょうだい」と訴えてきます。スタッフはこんなにかわいく甘えん坊のあーちゃんを前に、複雑な思いを抱きました。

「仮に『棄て猫』だったとして、こんなにかわいいあーちゃんをどうして放棄したのだろう。どんな事情があったかはわからないけれど、放棄したその先で事故に遭ったり、他の動物から攻撃を受けたり、餓死することは想像できなかったのだろうか」と。

しかし、すぐに「それを恨んでも始まらない」とも考え直しました。依頼を受けたスタッフが今すべきことは、こんなにかわいいあーちゃんに今度こその「ずっとのお家」を見つけてあげることだとも思いました。

抜群に人懐っこいあーちゃんの魅力が伝わるよう、大阪市内に新オープンした譲渡型の「保護猫カフェもっちゃり」に入店することになりました。

今日もあーちゃんは保護猫カフェで里親希望者さんとの出会いを待ち続けています。保護してくれた従業員さん、「ねこから目線。」のスタッフともに、1日も早く幸せな第二の猫生を掴んでくれることを願っています。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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