冬を前にした京都の街角 餌をねだっていた親子猫 「助けなきゃ」優しさと行動力が5匹の命を救った
2023年の秋から冬にかけ、京都のとあるエリアに野良猫たちが集まっていました。母猫1匹と4匹の子猫で、かつての経験からか、通りがかる人にエサをもらおうとねだっている様子でした。
親子猫たちを見つけたのが、通勤途中で通りがかった人。これから寒くなることを考えれば、親子猫たちを放っておくわけにいかず、保護猫のサポートをする会社「ねこから目線。」に保護を依頼。程なくして同社スタッフは、この親子猫たちの保護に現場へと向かいました。
■スタッフにも臆せず近寄ってきてくれたが…
スタッフが現場に着くと、聞いていた通り親子猫たちは、エサを期待してか近くまで寄ってきてくれました。さほど手間がかからず、無事に親子を保護することができましたが、室内に連れていくと態度が一変。「ここはどこ? 何か悪いことされる場所じゃないよね?」とばかりに親子猫たちはオドオド。母猫は「子どもたちを守ろう」という思いからか、警戒心がやや強めで心をなかなか開いてくれません。
急に馴れない環境に連れてこられたので無理はないですが、攻撃的な態度を見せるわけでもなく、全匹ともにいたって穏やかで優しい性格であることも伝わってきました。
■共通点は「穏やかな性格」と「丸顔」
母猫の人馴れトレーニングは現在も実施中ですが、4匹の子猫きょうだいはいずれも人間に馴れ始めたので、スタッフは里親募集を開始することにしました。
お目めクリクリのハチワレのメス・レイアちゃんは少々ビビリで、初対面の人の前では固まってしまうことがありますが、それでも日々少しずつ人間に心を開いてくれるようになりました。
また、イケメンのオス・レンくんもまた初めての人がちょっと苦手のようですが、攻撃性はゼロ。静かに「僕に近寄らないでください……」と言わんばかりに静かにその場から離れていきます。でも、最近は抱っこもさせてくれるようになり、「心を許してくれた瞬間がたまらなく嬉しい」とスタッフは言います。
そして、美人さんのメス・マリンちゃん。やはりビビリな性格ですが、レンくんとは違ってダッシュで逃げるタイプ。その素直なところがまたかわいい猫です。
最後が一番の甘えん坊のフワフワ毛並みのメス・ココアちゃん。いつも守ってくれていた母猫のことが大好きで、保護後もずっと母猫にベッタリ。ココアちゃんもまたビビリではありますが、攻撃性ゼロの猫です。
きょうだいに共通するのはみんな「丸顔」の美形さんということ。そして、きょうだいは人馴れが不十分なところもありましたが、じっくり時間をかければどの子も心を開き、本来の穏やかで甘えん坊の性格を出してくれました。
そして、後には素敵な里親さんとの縁がつながり、5匹ともそれぞれ新しいお家で生活するようになりました。あの日、京都の街角で餌をねだっていた親子猫は、現在はご飯の心配がなく、温かい家庭の中でのんびり過ごしています。
(まいどなニュース特約・松田 義人)