脳梗塞で倒れた飼い主、愛犬との13年間の記憶を失った 4カ月ひとりぼっちの高齢パピヨン 近所の人の善意が良縁に
2023年10月、一人暮らしの男性が自宅の風呂場で倒れました。脳梗塞が原因でした。異変に気づいた近所の方が発見し入院。一命を取り留めることができたものの、意思疎通が困難となり自宅に帰ることが難しくなりました。
この男性と13年間一緒に過ごしたワンコがいました。オスのパピヨンで名前は「ぴー太」。
くったくのない笑顔が印象的で、男性が大切に育ててきたことがうかがえました。しかし脳腫瘍の影響で「ぴー太と一緒に暮らしていたこと」自体も忘れてしまっているとのこと。その男性の身内がぴー太を引き取り先を探しましたが、うまくいかず、ぴー太はひとりぼっちになってしまいました。
■心ある近所の人が4カ月間ぴー太のお世話をしてくれた
最初に男性の異変に気づいた近所の方は、4カ月もの間、毎日にぴー太にエサを与えていました。寒い季節になっても暖が取れないため、寒さをしのげるよう服も着せたそうです。
しかし、このままの生活をずっと続けられるわけではありません。その後、男性の身内の方から保護団体・アイドッグ・レスキュー隊のもとへぴー太の保護の相談が持ちかけられました。事情をくんで同団体は迷わず引き取りました。
スタッフはぴー太を引き取った後、まずは自宅で世話をすることにしました。動物病院にも連れていき、健康診断と適切な医療ケアやマイクロチップの埋め込みなども行いました。
幸い13歳にしてはかなりの健康体で、重篤な病気はありませんでした。心身とも実年齢より若々しく映り、くったくのない笑顔や明るい性格から、新しい里親さんとの出会いには時間がかからないように思えました。
■懇意の里親さんの家に迎え入れられることに
大好きだった飼い主と突然別れ、ひとりぼっちで過ごしていたぴー太ですが、これまでの通りの明るさで里親会でも人気者となりました。
そして、以前別のワンコを迎え入れてくれた里親さんにぴー太の迎え入れを打診したところ快諾。とんとん拍子にトライアルが決定し、この方の家のワンコとして、第二の犬生を生きることになりました。
この家でのぴー太はこれまで以上に笑顔を見せてくれる機会が増え、そして思いっきり甘やかせてもらっているそうです。大好きだったであろう男性との突然の別れを経験したぴー太ですが、その辛い過去を癒してくれる幸せな日々がずっと続くことでしょう。
(まいどなニュース特約・松田 義人)