「六甲駅」でも大違い 表六甲と裏六甲…阪急電鉄「六甲駅」と神戸電鉄「神鉄六甲駅」に行ってみた

日本各地には、異なる鉄道会社が運営する似た名前の駅が多く存在します。そのため、駅名に会社名を加えて区別をつけることが一般的です。似たような名前の駅は近接していることが多いですが、阪急電鉄の六甲駅と神戸電鉄の神鉄六甲駅のように、遠く離れた場所にある場合もあります。

阪急電鉄の六甲駅は神戸市灘区にあり、阪神間に位置します。特急通過駅ですが、早朝・深夜時間帯には準特急が止まり、六甲駅を始発とする路線バスもあることから、阪神間では存在感がある駅です。六甲駅から南へ10分ほど歩くと、JR六甲道駅があります。

六甲駅は六甲山系への玄関口でもあります。六甲駅からは六甲ケーブル下へ向かう神戸市バスのバスが発着し、土休日は多くの観光客で賑わいます。

そのためか、六甲駅の駅舎は大きな山小屋のような形をしています。また、駅周辺には高校や大学も多く、学生でにぎわう駅でもあります。

■六甲駅から神鉄六甲駅を目指す

六甲駅と神鉄六甲駅はどれくらい離れているのでしょうか。六甲駅から神鉄六甲駅までは直線距離にして約8キロもあります。その間にそびえたつのが六甲山系です。つまり、六甲駅から六甲山系を隔てて、反対側にあるのが神鉄六甲駅というわけです。

まず、六甲駅から神戸三宮駅まで行くことに。三宮駅から神戸市営地下鉄線に乗り換え、谷上駅を目指します。地下鉄北神線(新神戸~谷上)にあるトンネルで六甲山系を突っ切ります。

谷上駅から神戸電鉄有馬線へ乗換え。大池駅を出発すると、車内では自動放送にて「次は六甲、神鉄六甲です」と流れ、阪急とは別に「六甲駅」があることを強調しているように感じました。神鉄六甲駅にようやく到着。六甲駅を出発して45分、乗換え2回、運賃は計790円でした。

神鉄六甲駅の駅舎は1996年に建てられた小ぶりな山小屋風で、六甲山系側に住宅地が広がっています。駅周辺はひっそりとし、同駅は鈴蘭台~有馬口間で数少ない急行通過駅でもあります。

■ 両駅に共通する「六甲登山口」

六甲駅と神鉄六甲駅にはもうひとつ共通点があります。それは駅周辺に「六甲登山口」を冠する道路設備があることです。

六甲駅は駅北側に「六甲登山口」と称する交差点があります。交差点にはバス停「六甲登山口」がありますが、真の登山口までは距離があります。あくまでもごくありふれた交差点です。

一方、神鉄六甲駅近くには六甲山系へ続く「六甲登山口線」と称する道があります。しかし、こちらも住宅街を通る道であり、登山道の雰囲気はまったくありません。六甲山登山の一般的なコースは六甲ケーブル・六甲山上駅から有馬温泉へ抜けるルートです。

実は神鉄六甲駅は1988年まで「六甲登山口」という駅名でした。しかし、登山口の雰囲気はまったくないせいか、現在の駅名に落ち着いています。

このように、阪急の六甲駅と神戸電鉄の神鉄六甲駅は距離が離れています。関西に馴染みのない方を招待する際は「阪急の六甲駅」のように念押しすることをおすすめします。

また、六甲駅、神鉄六甲駅から歩いて六甲山系へ向かうことはできますが、あまり一般的なコースでないことを最後に申し添えておきます。  

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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