家に通う野良猫が連れてきた「妊娠中の母猫」 なかなか保護できず、やっと赤ちゃん猫が我が家に「人生の転機になった」
■世話をしていた外猫のパートナーが出産
チャタロウくん(5歳・オス)は、ひょんなことで大阪府在住のNさん宅で産まれた。
Nさん宅のウッドデッキに茶白の猫が姿を見せるようになったのは、2017年秋頃。Nさんは茶白の猫をチャチャと名付け、ウッドデッキに寝床を作って世話をした。飼い猫のライくんとは窓越しに仲良くなり、その猫が来るとライくんは窓の方に走って行って話していたという。
ある日、チャチャくんが1匹の三毛猫を連れてきた。ほどなくして三毛猫はチャチャくんのために作ったダンボールハウスに入り、2匹の子猫を出産したという。そのうちの1匹がチャタロウくんだった。
子猫を見つけたNさんは、母猫の避妊手術と子猫の保護をすることにした。
「すぐに猫ボランティアの方に連絡して捕獲しようとしたのですが、母猫が警戒して子猫をどこかに隠してしまいました。でも、母猫はご飯をもらうためにうちに通っていたので、しっかり食べさせたら子猫を連れて戻って来てくるのではないかと、その時を待ちました。」
2ヶ月後、ウッドデッキから子猫の鳴き声がしたので見てみると三毛親子がいた。
「子猫は2匹とも茶白で、間違いなくチャチャの子だと思いました。」
Nさんは捕獲機を設置して三毛猫と子猫を捕獲した。母猫は不妊手術を済ませてからウッドデッキで世話をした。
「ボランティアさんのアドバイスで、子猫たちは捕獲してすぐに不妊手術や検査を済ませ、家の中に入れました。子猫は男の子と女の子でした。捕獲機に入って怖い思いをしたし、母猫と離されたので、小さな体でシャーシャーと威嚇し、身を寄せ合っていました。」
色柄からチャタロウとチャコという名前にした。チャコちゃんはすぐに里親が決まったが、チャタロウくんは決まらず。家族で何度も話し合い、迎えることにしたという。
■チャタロウくんを迎えて人生が変わった
チャタロウくんはお腹に虫がいた。ただ、薬を飲ませようと思うとすごく怒るので、Nさんは大汗をかきながら必死で投薬した。
子どもの友達が遊びにきて触ろうとしたからなのか、チャタロウくんは大人になるととても怖がりになった。インターホンの音や掃除機の音なども怖がり、先住猫のライくんや後輩猫、家族とも1階で会うと落ち着かない。
「2階で会うとお腹を見せますし、3匹一緒に私の布団の上で寝るのですが、1階で遭遇すると慌てて2階に逃げていきます。2階にいることが多くなりました。」
2階にいると安心できるのか、人間のベッドにコロンと転がってお腹を撫でてと言い、満足するまでマッサージを要求する。満足すると自分から自分の寝床に戻るという。
母猫はリリースしたが、今もウッドデッキを寝床と餌場にしていて健在だ。
「お父さんのチャチャは、手術後何年かは同じようにウッドデッキを拠点にして暮らしていましたが一年半くらい前から来なくなりました。突然の別れで悲しいですが、それがお外の厳しさですね。母猫も保護できたら一番良いのですが我が家の事情もあり、お庭猫として見守っています。」
Nさんは、母猫と子猫を保護した頃は不妊手術の知識があまりなく、思わぬ出産に戸惑った。
「このことをきっかけに、私は猫のTNRや保護などのボランティア活動を始めるようになりました。チャタロウを迎えたことは大きな人生の転機です。今は、おかげで充実した毎日を送っています。」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)