テーマは「夜空」「雨の日」…喫茶店ブームの中で注目浴びる創作系クリームソーダとは
メロン味のソーダに、バニラアイスクリームとさくらんぼ、というのが、クリームソーダの定番。大人に連れていってもらった喫茶店で注文したり、食品サンプルの美しさに見入ったなど、特別な思い入れのある方も多いのではないでしょうか。
昨今の喫茶店ブームにより、クリームソーダ人気も急上昇。赤や青などカラフルなのはもちろん、アルコール入りも登場。かき氷のシロップなどを使用したレシピも広がり、気軽に自宅で作ることもできる、老若男女問わず楽しめる飲み物へと進化を遂げました。
その中でもひと際目を惹く、美しいクリームソーダを制作し、喫茶店「旅する喫茶」を経営するクリームソーダ職人tsunekawaさんにお話を聞きました。
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--クリームソーダにはまったきっかけは?
Tsunekawa:友人と一緒にクリームソーダ会を行ったのがきっかけです。元々クリームソーダが好きで、子供の頃はおばあちゃんちに泊まりに行くと毎回、喫茶店に一緒に行ってクリームソーダを頼むのが楽しみでした。
--独創的なクリームソーダ作りに目覚めたのは?
Tsunekawa:それも友人と開いたクリームソーダ会です。元々よく行っていた喫茶店にも青のクリームソーダがあったので、バリエーションがあることは知っていました。もの作りが好きなので既存のクリームソーダ以外にももっと作れるんじゃないかと、創作の面白さにはまっていた流れです。作品自体は、出会った風景、空の色彩などからインスピレーションを得ることが多いです。
でも実際に作った後は飲むということを念頭に置いています。見た目も大切ですが、味も美味しさも大切。出張開店をはじめ、喫茶店や宿の開業も行っているので、リアルで飲んでいただける空間としての心地よさなど、旅する喫茶ではその部分を含めて、意識しています。
--自分で作る時のコツは?
Tsunekawa:出版されているレシピ本に詳しく書いてあるのですが、重要なのはグラスに氷をパズルのように積むことです。自分はグラスのギリギリまで積みます。ソーダ水にアイスが浸かりすぎてしまうと、アイスが溶けてしまって溢れてしまうので注意してください。綺麗な見た目で完成するとテンションも上がると思うので、あとは難しく考えず楽しんでください!
--福岡県うきは市に「泊まれる喫茶店」を開設しました。
tsunekawaさん:元々“旅”というコンセプトでクリームソーダ制作の活動を始めたので、訪れてくださる方にも、また自分達にとってもより旅を感じられる場所として、うきは市に宿と喫茶店を開業しました。
泊まれる喫茶ということで、古民家を改装した喫茶の空間に滞在してもらえるようになっています。クリームソーダを自分で作って縁側で飲めるような場所もあるんですよ。サウナや外気浴もできるので、宿にゆっくりと滞在してもらいながら、ふらっと近辺を散策するのも楽しみ方のひとつです。近辺は昔ながらの街並み、山々や雄大な筑後川など自然が広がっています。少し車を走らせると温泉や茶畑、お皿などの陶器をつくる窯元などもあるので是非訪れてほしいです。
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写真家、ファッションデザイナーの仕事と並行して、クリームソーダ作りでも注目を浴びるtsunekawaさん。”旅する喫茶”と称し、日本全国を巡り地産食材を使った出張喫茶やイベントを開催しています。しゅわしゅわ弾ける炭酸の刺激に、大人の世界を垣間見ていた思い出。あの頃の自分に、クリームソーダを通して会えるのかもしれません。自宅で作れるクリームソーダのレシピ集も監修され、全国書店にて発売中。この夏は、オリジナルクリームソーダ作りにチャレンジするのはいかがでしょうか。
(まいどなニュース特約・ゆきほ)