梅雨の季節 動かない後ろ脚 びしょ濡れの子猫を優しさのリレーで救命 脚も回復し幸せをつかんだ
2023年6月の東京、激しい雨が降る中、びしょ濡れの子猫が保護されました。後につけられた名前は「みつ子ちゃん」。
どこか屋根のあるところに逃れることもできそうですが、みつ子ちゃんはただただ雨に打たれていました。みつ子ちゃんは後ろの左脚が動かず、歩くこともできなかったからです。
■片方は動くことから脊髄損傷ではなく骨折や脱臼の疑い
みつ子ちゃんは助けた心ある人は、すぐに東京・江戸川区の動物病院、たんたんペットクリニックに相談。同院は診察などに加え、主に行き場を失った猫の保護活動も行っているからです。同院でみつ子ちゃんの様子を見ると、確かに左側の後ろ脚が全く動かず、かろうじて右側の後ろ脚で小さく動ける状態でした。
脊髄損傷などの場合は両後ろ脚ともに動かなくなり、そして再生も難しいとされています。しかし、みつ子ちゃんは右側の後ろ脚が動いているため、左脚のみの骨折や脱臼の可能性が考えられました。
たんたんペットクリニックでは数年前、「首から下が全く動かない」という猫を保護したことがありました。この際、念入りな治療とリハビリを行なったことで回復。後には元気に走り回るようになったという経験があります。こういった経験もあり、同院ではみつ子ちゃんを前に「きっと大丈夫。一緒に治していこうね」と優しく声をかけてあげました。
■左後ろ脚が動くようになり、さらには幸せも掴んでくれた
診断の結果みつ子ちゃんの左後ろ脚はやはり骨折していることがわかりました。一定期間、適切な治療とリハビリを実施しのちには左後ろ脚が動くようになりました。その後、嬉しそうに元気に走り回る姿を見せるようになり、「本当に良かった」と喜ぶ同院の関係者たちでした。
そして、さらに嬉しい知らせも。完治後、しばらくの間はたんたんペットクリニックと提携する預かりボランティアさんの家で過ごしていましたが、後に「みつ子ちゃんを迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ、ずっとのお家を掴むこともできました。
あの日、雨に打たれて耐えていたみつ子ちゃんでしたが、心ある人たちの連携によって幸せな猫生をつかむことができました。巣立っていくみつ子ちゃんの後ろ姿を前に「本当に良かった」と喜ぶ関係者たちでした。
(まいどなニュース特約・松田 義人)