道端でずぶ濡れの子猫きょうだい 心ある人が動物病院へ 低体温症・低血糖症の危機から尊い命が救われた
2023年5月、東京都江戸川区の道端でずぶ濡れになっている生まれたばかりの2匹の子猫がいました。心ある人が子猫を助けようとしたところ、体が冷え切っており「これはまずい」と一目散に地元の動物病院・たんたんペットクリニックに連れて行きました。
■低体温症・低血糖症の対策を同時に行う
同院の依田さんの診断では明らかな低体温症。血液の巡りが悪くなり、脳や心臓など生命の維持に影響を及ぼす機能が動かなくなり、死に至ることもあります。救ってくれた人に感謝した依田さんはまず、2匹の濡れた体をドライヤーで乾かし、湯たんぽなどを使って温めました。
なんとか体温は上がりましたが、さらに低血糖症の対策が必要です。生まれて間もない子猫は、本来であれば数時間おきにミルクを飲みます。この子猫たちがいつ母猫と離ればなれになったのかは分かりませんが、仮に長時間ミルクを飲んでいないのだとすると低血糖症になっている可能性があります。
低血糖症となると脳が正常に機能しなくなり、死に至ることもあります。依田さんはすぐに子猫用のミルクを作り、2匹に与えました。幸い、2匹ともゴクゴクと飲んでくれました。
■元気を取り戻し、さらには幸せもゲット
数日後、依田さんの繊細な医療ケアの甲斐あって2匹とも元気を取り戻し、体を動かせるようになりました。
そこからは本来の子猫らしい行動も見せてくれるようになり、2匹ともいろんなものに興味津々。特に真っ白の紙コップにやたらと反応し、試し2匹をその中に入れてあげたところご満悦。なんともかわいい表情を見せてくれました。オスの茶トラくんに「ナイトくん」、メスの三毛猫ちゃんに「レインちゃん」という名前をつけました。
ナイトくん、レインちゃんは後に同院と懇意の地域ボランティアさんがお世話することになり、同時にこの方が里親募集を開始。優しい里親さんとつながることができ、成長して幸せいっぱいで過ごしているそうです。
あの日、救いの手が差し伸べられなかったら助からなかったかもしれないナイトくん、レインちゃんの尊い命。1日も長く幸せな猫生を歩んでいってほしいものです。
(まいどなニュース特約・松田 義人)