数度の帝王切開の跡 繁殖場から飼育放棄されたダックス 兄貴分ワンコと再会し大喜び さらにうれしい出来事が!
無垢な瞳で人間を見つめるダックスのちゅら。綺麗な毛並みが自慢の4歳ほどのメスで、普通の飼い犬に見えます。しかし、元々は繁殖場出身。その繁殖場から飼育放棄となっていたワンコでした。
その穏やかな表情からは想像できませんが、体をよく見ると何度も帝王切開した跡があり、子宮への癒着もひどい状態。後にちゅらを引き取ることにした犬保護団体restartdog LIEN(リアン)のスタッフは「人間の都合でそこまでして産ませなくても」と悲しみました。繁殖場のワンコたちの中には肉体を生涯酷使されるケースは少なくないため、ちゅらが「4歳」という比較的早い段階で保護されたことは不幸中の幸いかもしれません。
■他のワンコが喜ぶ姿を見て、笑顔が浮かぶ穏やかな性格
リアンに引き取られ、提携する預かりボランティアさんの家で過ごすことになったちゅら。当初こそ環境の変化におびえ、吠えてしまうこともありましたが、程なくしてすぐになじみで笑顔を見せてくれるようにもなりました。
この家にいる他のワンコとの協調性も抜群。他のワンコを出し抜き、人間に甘えるような素振りはなく控えめ。他のワンコが人間に甘えていると、その傍でうれしそうな様子を見せるなど穏やかな性格のようでした。
■お兄ちゃんワンコと数週間ぶりの再会
ある日のこと。この預かりボランティアさんの家から数週間前に同じくオスのノエルというダックスを迎え入れた里親さんが、里帰りとして遊びに来てくれました。
数週間ぶりに遊びに来たノエルとの再会に、ちゅらは大喜び。「お兄ちゃん久しぶり! 元気にしてた?」とばかりに尻尾フリフリで歩み寄り、ノエルもうれしそうな表情です。
この後にちゅら、そしてノエルにとってさらにうれしい出来事が待っていました。
■お兄ちゃんワンコと一緒の「ずっとのお家」をゲット
ノエルを迎え入れてくれた里親さんが「ちゅらも迎え入れたい」と申し出てくれたのです。血が繋がっているわけではいないものの「ノエルの妹分」として、ちゅらは「ずっとのお家」をつかむことになりました。
預かりボランティアさんの家で過ごしていた頃のノエルは、超がつく甘えん坊でした。しかし、里親さんの家では、自立したお利口さんとしてすごしているそうです。
里親さんのたっぷりの愛情とお世話が成長につながったのでしょうか。「ずっとのお家」と理解してて安心したのかもしれません。ちゅらもまたこの優しい里親さんの元で安心して過ごしてくれることで、これまで以上のお利口さんになってくれるでしょう。
これ以上ない環境で第二の犬生を過ごすことになったちゅら。巣立っていく後ろ姿に預かりボランティアさんは「お兄ちゃん・ノエルと一緒にいつまでも明るく幸せに過ごしてね」と見送りました。
(まいどなニュース特約・松田 義人)