なだぎ武、引きこもり脱出した17歳の一人旅「寅さんみたいになりたくて…」人間不信を救った出会いとは

R-1王者のなだぎ武(53)が、吉本同期の千原ジュニアのYoutubeに出演し、中学時代に壮絶ないじめを受けていたことを明かした。卒業後は約3年間引きこもりだったが、17歳の時の一人旅が人生を変えたという。

■旅館の女将に助けられ…

学校に希望を持てなくなり、引きこもりになったなだぎ武。当時、衝撃を受けたのがテレビ映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎だ。「金がなくなったら団子屋の実家に帰って、妹にお小遣いもらって…最低な男なんですよ。でも人が集まる。寅さんみたいになりたいなって」。人が嫌いで仕方なかったが、今行動しないと終わると思い、劇中に登場する尾道に訪れたという。

スマホもない時代。目的地に行くには、人に聞くしかなかった。「1人聞いたら、親切に教えてくれてめちゃくちゃうれしい。で、3人目、4人目と」。その後、飲食店で生牡蠣を食べて、嘔吐と下痢に襲われた。公園でへたりこんでいると、女性に声を掛られ、救急車で病院へ。意識がない中、女性は目が覚めるまで付き添ってくれた。当てのない一人旅だと説明すると、「大変やな」と自身が営む旅館に部屋を用意し、おかゆを食べさせてくれた。

翌朝、元気になると、自分でも想像もできない行動が出た。「今日1日、雑用として働かせてください」。女将に申し出ると、同じ目線で会話し、仕事を任せてくれたという。

■「どんどん食え食え」に救われた

夜は旅館の人たちと大将のまかないを食べた。「人と楽しく喋りながら美味しいご飯って人生で食べたことなかったんちゃうか、と思って…。そしたら、いじめられていたことを思い出してボロボロ涙が出てきて、止まらんくて」

その時、大将が「どないしたんや。そんなに俺が作った料理うまいんか」と言ってくれたという。「『大丈夫か?』じゃなくて『どんどん食え食え』って。めちゃくちゃ救われて。我慢せなって思ってたけど、泣いてもええんやって思ったんです。泣きながらやけど、笑顔でご飯を食べられたのが、うれしくて」と噛みしめた。

また、一人旅をきっかけに一歩を踏み出すことや人を信じる大切さを感じたといい、「気晴らしに吉本新喜劇見を見に行ったらNSCの生徒募集の広告を見て。ここに1年行ったら、自分が変われるんちゃうかなって」と願書を出したことを明かした。

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