小学校で配られたリコーダー楽譜の曲目が「ヤマダ電機の唄」「クイックルワイパー」…「楽しそう」と話題に
「グリコ2段熟カレー」「ヤマダ電機の唄」「クイックルワイパー」…
小学校で配布されたリコーダー楽譜の曲目がSNS上で大きな注目を集めている。
「下の子が小学生のとき、音楽の先生が代わって、リコーダーが苦手な子、楽譜が読めない子、音楽を楽しめない子でも楽しめるように?かなんか知らんけど、音楽で配られた楽譜。」
と紹介した投稿に対し、SNSユーザー達からは
「子ども心をくすぐる、出来るようになりたい!と思わせる楽譜ですね!!」
「我々の世代はチャルメラですかね~。子どもの頃、必ずやりましたね」
「すごくいい先生だと思います!音楽って楽しいって思ってもらうことが第一なのでうちの子もピタゴラスイッチやマックのポテトが揚がる時の音なんかを教えてもらってました」
などさまざまな反応が。
■投稿者に聞いた
投稿者に話を聞いた。
ーーこれらの楽譜をご覧になった感想、お子さんの受け止め方をお聞かせください。
投稿者:この出来事があった当時、私は学習に困難を抱える子どもの保護者という立場でした。当時のSNS投稿を振り返ると「今年は音楽の先生が変わったらしいが、リコーダーの練習がなんだか楽しそう。下の子も『メロディーをよく知ってるからやりたくなっちゃう。隣のクラスからみんなが歌ってるのが聞こえた』と話していた」と書いてありました。
ーーあらためて紹介されようと思われた理由は?
投稿者:あれから数年たちましたが、今あらためて楽譜を見ると、当時とはまた違った角度からの先生の意図を感じました。最新の学習指導要領とは少し違うかもしれませんが、たとえば5歳年上の上の子の時は、音楽のリコーダーの授業では「エーデルワイス」を習いました。「エーデルワイス」は両手を使って演奏するのに対し、下の子に下られた楽譜は左手だけで演奏できる曲、子どもたちが知ってそうな曲が選んであり、苦手意識を感じさせない配慮がされていると感じました。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
投稿者:正直申しまして、こんなに反応があるとは考えてませんでした。私としては特にこの音楽の先生を讃える意図などはなく、「こんな方法があるんだよ」程度の気持ちで投稿しました。
上の子は課題曲のハードルが高すぎたのと、指導の方法が合わなくてリコーダーだけでなく楽器自体への苦手意識を深めてしまいました。それを残念に思っていたので「楽しい」や「できた!」から入れる取り組みとして紹介しただけなんです。近年は先生方も多忙で教材研究をする時間もないとお聞きしますので、アイデアの一つになれば嬉しいです。
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小学校学習指導要領(平成29年告示)解説の音楽の項には「指導に当たっては,児童や学校の実態などを十分に考慮して, それぞれの楽器の特性に応じた演奏の仕方が身に付くよう留意する必要がある。(中略)また、楽器の音色や響きを意識しながら, 易しいリズムや旋律の演奏から始めて,継続的に取り組むようにすることが求められる」とある。
この方針にのっとるなら、たしかに時には大企業のCMソングや店内BGMを教材として用いるのも一つの手かもしれない。生徒の個性や状況に応じた柔軟な指導を期待したい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)