ケージから出してもらえず散歩が苦手 「2日に1回」のエサの理由は「お腹がゆるいから」 2度も飼育放棄されたミックス犬
とある家庭で飼われていたシーズー×ペギニーズのミックス犬・モモタロウは推定8歳のオス。「犬が苦手だ」として飼育放棄されました。
「犬が苦手」なのにモモタロウを飼うことになったかは謎ですが、ずっとケージの中に入れられたままの生活を経て、別の家に引き取られりました。
■「2日に1回」の理由は「お腹がユルいから」
この家には数匹のワンコが暮らし、「お腹がユルい」という理由から2日に1回のエサしか与えられない日々を送っていました。お腹がユルいのであれば動物病院など、適切なところで診てもらうのが普通ですが、そういった対処はされていない様子でした。さらに、この第二の家でも「もう飼えない」と飼育放棄されることに。
モモタロウを引き取ることにしたのが、犬保護団体restartdogLIEN(以下、リアン)。スタッフは「人間の都合で満足な犬生を送らせてもらえず、2度も飼育放棄された」という事実に憤りを通り越えて悲しみが込み上げましたが、まずはモモタロウを預かりボランティアさんの家へ連れ帰り、世話することにしました。
■聞いた話とはまるで違うお利口さんぶり
預かりボランティアさんの家に来たモモタロウは、飼い主から事前に聞いた話とかなり様子が違いました。
「モモタロウは外が嫌いで、首輪やリードが嫌いだ」と聞いていましたが、試しに首輪を付けてみると、すんなり受け入れてくれました。人間の言うことをよく聞くお利口さんでもあり、「どうしてこんなに良い子が…」と預かりボランティアさんは肩を落としました。おそらく最初の家、第二の家の飼い主の判断や考え方に問題があったのだろうとも思いました。
エサを満足に与えられていなかったモモタロウに、「2日に1回」ではなく「1日に2回」のエサをご飯をあげ、体の様子を見ることにしました。首輪を嫌がらない様子から、散歩の経験があるようでしたが、実際に散歩に連れて行くと上手に歩くことができません。
ずっとケージの中で過ごしていたので無理もありません。「ワンコにとっての幸せ」を感じてもらおうと、預かりボランティアさんは散歩トレーニングも少しずつ実施することにしました。
■「今度こそ」のずっとのお家を目指して
モモタロウは、預かりボランティアさんの家にいる他のワンコたちとも仲良し。明るく元気に過ごしていますが、体調管理や散歩などをクリアしていないため、里親募集には出されていません。
モモタロウが見せる無垢な瞳や穏やかな性格、そしてちょこちょこ歩く可愛さ。「近い将来、里親募集に出すこともできるだろうし、ずっとの家がきっと見つかるだろう」と預かりボランティアさんは言います。
ワンコは飼い主によって置かれる環境やその犬生が決まってしまうもの。2度も飼育放棄を受けたモモタロウですが、今度こそ素敵な飼い主にめぐり会うことを願ってやみません。
(まいどなニュース特約・松田 義人)