公務員ピアニストが訴える「被災者の心はまだまだケアが必要」 南三陸・能登を支援するために続ける活動とは
兵庫県西宮市の職員で、演奏活動にも取り組む「公務員ピアニスト」の谷口博章さん(54)=岡山県津山市出身=が、東日本大震災と能登半島地震の被災地支援を目的にしたCD「能登に 南三陸に 届けたい音」を制作した。2021年に発売した「南三陸に捧(ささ)げる音」に続く第2弾。6月1日に全国発売する。
谷口さんは東日本大震災発生直後の11年4月、西宮市の派遣職員として宮城県南三陸町で2週間勤務。その後も国内外でチャリティーコンサートを開き、同町への支援を継続している。「音楽が心の傷を癒やす支えになれば」と20年には愛用のピアノを寄贈、同町内の保育所で活用されている。
CDは寄贈したピアノの維持費や文化イベントの経費などに活用してもらおうと制作。第1弾は経費を除いた収益約70万円の全てを同町に寄付した。第2弾を制作中に能登半島地震が発生したため、支援先に能登地域を加えた。
収録曲は昨年5月、ベルフォーレ津山(津山市新魚町)で開催したリサイタルで演奏した11曲(約45分)。ドビュッシー「夢」、シューマン「トロイメライ」のほか、技巧的で華やかなアルゼンチン舞曲などを織り交ぜ「夢を持ち続けて前に進もう」とのメッセージを込めている。
谷口さんは「大切な人や古里を失った被災者の心はまだまだケアが必要。息の長い支援を続けたい」と話した。
1枚1500円。インターネット上で取り扱うほか、ベルフォーレ津山では先行販売している。
(まいどなニュース/山陽新聞)