上場・大手企業で「女性管理職」が多い部門 「総務」「経理」を抑えた1位は?

大手企業において女性管理職が多いのはどの部門なのでしょうか。株式会社プロフェッショナルバンク(東京都千代田区)が実施した「上場・大手企業の女性活躍推進の実態」に関する調査によると、「人事」が最多となりました。政府が掲げる「2030年までに女性役員の比率を30%以上に引き上げる」ことについて企業や社員はどのように考えているのでしょうか。

調査は、上場企業または大手企業の人事責任者・担当者1011人を対象として、2024年3月にインターネットで実施されました。

まず、「会社の女性社員(正社員)比率」について質問したところ、「30%以上~40%未満」が最も多く、(28.0%)、次いで「20%以上~30%未満」(27.9%)、40%以上~50%未満」(15.0%)と続きました。

また、「会社の管理職における女性比率」では、「10%未満」(26.6%)が最多となったほか、「10%以上~20%未満」(26.1%)、「20%以上~30%未満」(21.6%)なども挙げられ、女性管理職比率が30%未満の企業は7割に上ることが明らかになりました。

続けて、「会社で女性管理職が最も多い部門」を教えてもらったところ、「人事」(18.3%)が最多に。ほか、「総務」(16.0%)、「経理」(12.0%)といった回答が上位に挙がりました。

次に、「女性管理職を登用する際に優先させていること」では、9割以上が「既存社員の昇進」(91.4%)と回答。

また、「女性活躍・定着の取り組み」について複数回答で答えてもらったところ、「出産・育児へのサポート」(49.5%)、「社内の意識改革」(44.6%)、「多様なキャリアを選べる仕組みづくり」(36.4%)といった回答が上位に並び、制度の充実と意識改革の両面から取り組みを推進していることが分かりました。

なお、会社にとって「女性活躍を推進するメリット」については、「女性社員の採用促進」(38.6%)が最も多く、次いで「女性視点でのイノベーションや商品開発の促進」(37.3%)、「企業イメージのアップ」(32.2%)と続き、活躍している女性社員のロールモデルがいることで、女性社員の採用やイメージアップにつながっていることがうかがえる結果となりました。

最後に、「2030年までに女性管理職比率30%以上を達成させることはできますか」という質問には、7割以上が「達成できると思う」(とてもそう思う27.3%、そう思う43.7%)と回答したそうです。

「女性活躍を推進するために必要だと思うこと」について回答者からは、「経営陣の意識改革が必要」(30代男性)、「待遇改善と職場環境改善」(50代男性)、「出産、育児などでキャリアを中断せずにチャレンジできる男女双方の意識と感謝の制度の充実」(50代女性)など、ライフステージに合わせた女性社員へのサポートや待遇、環境の改善、さらには社員だけではなく経営陣の意識改革も必要という意見が寄せられました。

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