スイスの初任給1000万と聞いた母、留学前は息子に「早く日本に帰って」→留学後の心の変化に爆笑
息子のスイス留学の前後で、発言がコロッと変わった母についての投稿がXで話題になりました。留学前は「寂しいから早く日本に帰ってくるのよ」と言っていたお母さんですが、留学後にある話を聞いて考えが変わります。
「スイスの給料は1年目から1000万超え?!なんで日本に帰ろうとしてるのよ。留まりなさい。私たちがスイスに行くわ」
お母さんの発言の変化を投稿したのは、「ヨーロッパ理系大学院生 Kei 🇨🇭」(@kei_europe_tw)さんです。Keiさんは日本の大学の理系学部を卒業して、スイスのチューリッヒ大学で修士号の取得を目指しています。
「良いお母様ですね! お金じゃないのよ、帰ってきなさいと言う人が多そう」
「私達がスイスに行くってところがたくましい」
「日本円でスイス行くと資産の目減り状態で行くことになりそうなので大変そうですよね」
「母『スイスの給料は1年目から1000万超え?!留まりなさい。送金楽しみにしてる。』では無いのが、とてもあたたかいご家庭って感じがします!」
「1000万が高いか安いかはご自身の算盤ですが せっかくいらっしゃるので2~3年キャリアや仕事の仲間を作れたら他の人にはない(少ない)ものになる様に感じました。」
ポストには、コメントがたくさん寄せられています。
■スイスでは初任給が1000万円!?詳しく話を聞いた
お母さんの発言やスイス留学について、Keiさんにお話を聞きました。
──大学院の修了も近いということなのでしょうか?
終了は今年の終わりか来年になりそうです。授業はほとんど取り終わり、これから修士論文に取り組む予定です。スイスでは日本と異なり一斉に研究室に配属されるということが起こらないです。したがって、自分のタイミングで教授に連絡する必要があるのですが、教授が忙しいとなかなか対応してもらえず苦労しています。フレキシブルな反面、ストレスにも繋がりますね。
──そうなのですね。大学院の留学は最初から希望されていたのですか?
もともと漠然と海外に対して興味を持っていました。交換留学なども予定しておりましたがコロナでキャンセルになってしまったため、大学院こそは海外にいこうと決意しました。また、私は研究者になりたいという思いは強くなかったため、研究が主体の日本の大学院よりも授業が主体の海外の大学院の方が向いていると考えたのも理由の1つです。
──そのなかで留学先をスイスにされた理由は?
スイスを選んだ理由は大学のプログラムが私の興味に合致していたからです。データサイエンスを学びたい気持ちはありましたが、同時にビジネスにも興味がありました。所属しているチューリッヒ大学では主専攻でデータサイエンスを学びつつ、副専攻でビジネスに近い分野を学ぶことができます。片方だけに特化するプログラムを提供する大学が多い中でチューリッヒ大学が私の興味関心にマッチしました。
あとは、学費の安さですね。物価が高いことで知られているスイスですが、学費は日本の国立大学よりも安いです。スイスフラン/円のレートによりますが現在のレートだと年間約30万円です。他にも治安の良さや英語で学べるなどの理由もあります。
──確かに学費が安いですね。お母さんは、行く前は留学にちょっぴり反対されていたのですか?
スイスに行くことを表立って反対するということはなかったです。ただし、海外に長期滞在ということで寂しく感じていたと思います。また、いつまでスイスにいていつ日本に帰る予定なのかを気にしていました。
──でも今は、スイスに住んでもいいと考えられている?
これに関してはどこまで本気かはわからないですね。半分冗談のような会話なので。まずは、旅行で来てみて過ごしやすければ住むということも起こりうると思います。
──「私たちがスイスに行くわ」と言われた時はどのように感じましたか?
頼もしく感じましたね。息子が海外に住んでいるということに心配や寂しさを感じつつも応援していくれているような気持ちを感じ取れます。
──スイスは初任給でも1000万円を超えるとは驚きました。
スイスの給料の高さには驚いています。ツイートでは1000万円と書きましたが、チューリッヒのデータサイエンティストの給料は98,000~120,000CHF (16,660,000~20,400,000JPY)という水準です(※参考)。本当に両親をスイスに呼ぶことを考えてしまいますね。ただし、私はスイスの企業と雇用契約を結んだことはないので現時点では絵に描いた餅ですが。
──今のところスイスでの就職が濃厚なのでしょうか。
大学院終了後の進路はいまだに悩んでいますね。私は日本が好きですし、田舎者なので東京に住みたい気持ちもあります。また、日本でなければできない仕事もたくさんあると思うので学位取得後に日本で働くことも私にとっては大きな選択肢の1つです。一方で、スイスのことは好きですし、海外で働くという機会はなかなか得られるものではないと思うので、スイス就職というのも良いなと思います。
──今後スイス留学する方に、生活面で日本との違いに驚かれたことがあれば教えてください。
スイスで驚いたことはいくつかありますが、今でも辛いと感じるのはコンビニがないことですね。コンビニがないどころかほとんどのお店が20時には閉店します。そして、日曜日は1日中閉まっています。スイスについてすぐの頃は夜に食べ物がなかったり、日曜日は空腹を我慢して過ごすような日もありました。日本に一時帰国するタイミングがあれば、真っ先にコンビニに行きたいです。
──日曜日はお店がまったく開いていないなんて、日本では考えられませんね!
一方で、日本とあまり違いを感じない点も驚きの一つです。例えば、海外は時間にルーズで公共交通機関は時間通りに来ないといったイメージがありましたが、スイスは日本と同じくらい時間に厳しいです。また、街中もかなり清潔で治安も良く、日本人にとってはすごく住みやすいと思います。
■Keiさんは、XのほかYouTubeでもスイス留学&生活についての情報を発信しています。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)