2025年卒の大学生が「就職したい企業・業種」 ソニー、アップル、国家公務員を超えた1位は?

「売り手市場」が加速している就職活動において、学生たちはどんな企業に就職したいと考えているのでしょうか。企業企業の与信管理にかかわるサービスを提供するリスクモンスター株式会社(東京都中央区)が、このほど発表した「第10回 就職したい企業・業種ランキング」によると、「地方公務員」を希望する人が最も多いことが分かりました。

調査は、2025年3月卒業予定の大学3年生の男女473人(男性234人、女性239人)を対象として、2024年3月にインターネットで実施されました。

その結果、「就職したい企業・業種ランキング」の1位は6年連続で「地方公務員」(16.7%)でした。以下、2位「国家公務員」(8.0%)、3位「ソニー」(4.4%)、4位「アップル」(3.4%)、5位「グーグル」(3.2%)がTOP5を占めています。

順位が上昇している業種としては、「東海旅客鉄道(JR東海)」(75位→7位)や「西日本旅客鉄道(JR西日本)」(94位→7位)、「東日本旅客鉄道(JR東日本)」(75位→10位)などの鉄道業のほか、「グリコ」(75位→10位)、「味の素」(23位→16位)、「日本コカ・コーラ」(94位→16位)などの飲食料品製造業が挙がりました。

一方、「講談社」(13位→63位)、「集英社」(19位→39位)などの出版社は、前回からランクダウンが目立っています。

ランキングを文系・理系別にみると、文系・理系ともにTOP3は「地方公務員」(文系20.7%・理系12.7%)、「国家公務員」(文系9.3%・理系6.8%)、「ソニー」(文系4.2%・理系4.7%)でした。

そのほか、文系では、「グリコ」「日本コカ・コーラ」などの飲食料品製造業、「西日本旅客鉄道(JR西日本)」「東海旅客鉄道(JR東海)」などの鉄道業に人気が集まりました。一方、理系では「鹿島建設」「清水建設」「大成建設建設業」といった建設業が3社ランクインしています。

また、男女別でみると、男性は「西日本旅客鉄道(JR西日本)」、「東日本旅客鉄道(JR東日本)」、「東海旅客鉄道(JR東海)」の鉄道業に人気が集まった一方、女性では「資生堂」や「グリコ」、「サントリー」といった化粧品製造業や飲食料品製造業に人気が集中していました。

さらに、業種別でみると、1位「公的機関・その他」(26.6%)、2位「IT・情報通信」(9.1%)、3位「金融・法人向けサービス」(7.0%)、4位「食品・農業」(5.7%)と、上位4業種は前回から変動はありませんでした。

次に、「就職先の選定において気になる点」について複数回答で答えてもらったところ、「給与額」(52.0%)、「福利厚生」(36.6%)、「雇用形態(正社員・契約社員など)」(26.8%)といった回答が上位に挙がりました。

また、「最低限実現したい生涯最高年収」では、「400万~500万円未満」(14.6%)が最多となったほか、「500万~600万円未満」(13.7%)、「600万~700万円未満」「1000万円~1500 万円未満」(いずれも11.6%)などが上位に挙がりました。

なお、民間給与実態統計調査(2022年度)によると、民間企業の平均年収は「458万円」となっており、学生の回答が「400万円以上500万円未満」に集中していることから、この平均年収程度の収入を求める学生が多いことがうかがえました。また、男女別では男性、文理別では理系で1000万円以上を求める割合が多くなっています。

最後に、「理想の就職活動開始時期」について聞いたところ、「大学3年生前期」(40.4%)が最多に。「理想の内定希望時期」としては、「大学4年生前期」(52.6%)が過半数を占めました。一方、実際に就職活動を開始した時期については、「大学3年生前期」(25.4%)や「大学3年生後期」(20.7%)などに回答が集まりました。

また、実際の就職活動開始時期において、「大学1、2年生」から就職活動をしている学生は約4割が内々定を獲得しており、「大学3年生以降」に開始した学生の2倍近い内々定獲得率であることから、早期の就職活動開始が就職活動を有利に進める要因となっていることがうかがえたそうです。

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