治療を受けられずエサも足りなかった?げっそりやせたフレンチブル 預かりボランティアの愛情でお茶目な素顔が全開に
とある経緯から2023年6月に犬保護団体・restartdog LIEN(以下、リアン)に引き取られることになったフレンチブルの大福くん。普段は人間大好きの甘えん坊。写真を撮ろうとすれば、近寄りすぎてしまい、アップの写真しか撮らせてくれないというおっちょこちょいのかわいいワンコです。
保護時は左耳の形が変形しており、さらに「食べること」への執着がすさまじく、フードアグレッシブ(食事中は、急にピリピリして攻撃的になること)があり、元いた環境では適切なケアがなされず、そして安心できる環境で食事を与えられていなかったことをうかがわせました。
■治療がなされず、満足なご飯も与えられていなかった?
保護当初の大福は写真にある通り、げっそりやせていました。ふくよかな印象が強いフレンチブルですが、ここまでやせているワンコはそう見かけません。このことからも十分なご飯を与えられていなかったことがうかがえました。
また、前述の通り、大福は左耳の後ろが変形し、少しめくれた形になっています。心配したリアンのスタッフが獣医師に診てもらったところ「耳血腫ではないが外耳炎の後遺症で、元の形は戻ることはない」とのこと。
どうしてこうなるまで放っておいたのか、やせ細るまでご飯を与えることができなかったのか……以前の環境の厳しさに胸が苦しくなるばかりです。
■ソファが好き過ぎて、ソファから落ちてしまうお茶目な様子も
保護された後、大福はリアンに参加する預かりボランティアのみーちゃんさんの家で過ごすようになりました。みーちゃんさんの家には、他の保護犬たちも一緒に過ごしていますが、大福はこういったワンコたちともすぐに友達になり、散歩なども仲良く歩くことができる優しくおっとりした性格の持ち主でもありました。
おっとりした性格は、ときにおっちょこちょいにも映ることもあります。大好きなソファを大福が占領し、「僕の場所だ!」とアピールしていたかと思ったらドテッと落ちてしまったり、甘えたがりが過ぎて、ものすごいジャンプでみーちゃんさんに飛びかかってくることも。でも、みーちゃんさんはそんな大福の様子が愛おしくてたまらず、そして癒してもくれると言います。
■数時間の1回はジャンプで「抱っこしろ」アピール
みーちゃんさんの家に来た1週間ほどはトイレの場所が決まらず、オムツをして過ごしていた大福ですが、ようやく場所が決まってオムツを外すことができました。
甘えん坊ぶりはさらに増長し、常に誰かにくっついていたがり、数時間に1回はまた、あの激しいジャンプをして「抱っこしろ」とねだりました。
みーちゃんさんはそんな大福を見るたびに目を細めていましたが、その後さらにうれしい知らせがありました。「迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ、大福が見事第二の犬生を歩むことになったのです。
きっと今日も優しい里親さんのもとで大福はとびきりの甘えん坊ぶりを発揮しているでしょう。そんな想像をすると、つい顔がほころんでしまうみーちゃんさんでした。
(まいどなニュース特約・松田 義人)