多頭飼育崩壊から保護 怯えて離れなかった4匹のシーズーミックス犬 みんな幸せの切符を手にしたよ

主に埼玉・茨城の愛護センターから行き場を失ったワンコを引き取り、新しい里親さんのもとへと繋ぐ活動を行う犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)。

2023年5月、同団体に4匹のワンコが引き取られました。いずれもシーズーのマルチミックス犬で名前をグラ、ゲン、ゴクウ、ザックというかわいいワンコたちです。出自が明らかではありませんが、どうもだったようです。

悲しい過去を持ちながらも、4匹はまるできょうだいのように仲良くしながら、リアンスタッフのもとで、暮らすようになりました。

■どこかお兄さん的な印象にも映るグラ

引き取った当時、4匹の体は強烈な悪臭を放っていました。これまでに行き場を失ったワンコを数多く接してきたリアンのスタッフは動じません。「みんなきれいにしちゃうからねー!」と、すぐに4匹全員にシャンプー。1度では悪臭が取れなかったため、シャンプーは2度必要でしたが、4匹ともすっかりきれいになりました。

4匹のうち、一番の年長はグラというワンコです。

目の周りの毛が黒く、鼻周りの毛が白いのがグラの特徴。推定1歳ぐらいの男の子で、体重は約5kg。スタッフの家に来たばっかりのときは、怖さからか唸って固まっていましたが、「この人は悪い人じゃない」と思ってくれたのか、すぐに馴れてくれました。他のワンコよりも年長なので、どこかお兄さん的な振る舞いも感じさせるお利口さんです。

■4匹の中で一番の怖がりのザック

グラの後ろから顔をチョコンと出していたのがザック。4匹の中でも一番の怖がりで、グラだけでなく、他のワンコの後ろから恐る恐る登場するようなワンコです。

推定生後4カ月くらいの男の子ですが、スタッフが触れようとすればすみっこに固まったり、触ると「ウーッ」と唸り、ときにビビリのあまりおもらししてしまうワンコでした。しかし、次第にスタッフに馴れていき、一番のヤンチャぶりを見せ、なでられることも大好きになりました。

■寝るときに布団に入ってくるようになったゲン

グラと同じ推定生後1年くらいなのがゲンです。

穏やかそうに見えるゲンですが、保護当初はやはり恐怖からか抱っこはおろか体を触らせることも嫌がっていました。しかし、このゲンもグラ同様、早い段階でスタッフに馴れ、後には抱っこもさせてくれるようになり、寝る際にはスタッフの布団に入ってくる甘えん坊ぶりを見せてくれました。

■人間が怖くて逃げ回っていたゴクウ

男の子のゴクウは推定生後4カ月ぐらいで、乳歯の状態を見る限り、そろそろ5カ月に入る時期です。スタッフの家に来てすぐは人が怖く逃げ回っていましたが、少しずつスタッフの家に慣れてきました。耳が薄い茶色で、口周りは白いのがゴクウの特徴です。

まだ小さいこともあってか、なかなかビビリが抜けず、人が近づくと慌てて逃げていくことがありました。当初はリアンが提携するボランティアさんのところで他の3匹と暮らしていましたが、「このままだとワンコだけで群れてしまうかもしれない」と後に、別のボランティアさんのところに移りました。人間とのつながりを学んでもらうためです。

■いつかまた4匹揃って顔を見せに来てね!

多頭飼育崩壊という悲しい過去を持つ4匹でしたが、リアンのスタッフは「過去よりも未来」に希望を持ち優しく世話を続けました。やがて4匹ともスタッフのことを信頼するようになり、甘えたり、遊ぼうアピールをしてきたりと心を開いてくれるようになりました。

大喜びのスタッフでしたが、さらにうれしいことに続々と優しい里親希望者さんが現れ、保護から約1カ月前後で4匹とも幸せな第2の犬生を歩むべく巣立っていくことになりました。

4匹そろって家の中でヨチヨチ歩いていたころを思い出すと、寂しさも感じるスタッフでしたが、何よりうれしかったのはそれぞれが幸せをつかんだことです。いつか4匹そろって再会できる日が来るといいな、と期待に胸を膨らませました。 

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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